またまた車関連のネタです。
ディーラーで1.5ディーゼルとG-ベクタリング コントロールが登載された新型アクセラ(2016年大幅改良モデル)を試乗してきましたので感想をまとめておきます。
結論から述べますとG-ベクタリング コントロールで劇的に変わるような効果は体感できませんでしたが、1.5ディーゼルはとても静かでCX-5のディーゼルと比べても断然なめらかな加速フィール。
ATとのマッチングもよく、相変わらずとても良い車でした。
新型アクセラ試乗車データ
アクセラスポーツ 15XD L Package
価格 268万円(税込み)
全長 4,470㎜
全幅 1,795㎜
全高 1,470㎜
ホイールベース 2,700㎜
乗車定員 5名
車両重量 1,360kg
タイヤサイズ 215/45R18
ホイールタイプ アルミ(高輝度ダーク塗装)
最小回転半径 5.3m
サスペンション(フロント)マクファーソンストラット式
サスペンション(リア)マルチリンク式
ブレーキ(フロント)ベンチレーテッドディスク
ブレーキ(リア)ディスク
エンジンタイプ SKYACTIV-D 1.5
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC16バルブ直噴ターボ
エンジン総排気量 1.498L
エンジン最高出力 (kW<PS>/rpm)77<105>/4,000
エンジン最大トルク 270Nm<27.5kgf>/1,600-2,500rpm
使用燃料 軽油
タンク容量 51L
JC08モード燃費 21.6km/L
新型アクセラ試乗目的
今回の新型アクセラの試乗目的はG-ベクタリング コントロールの効果がどれくらい体感できるか確認すること。
CX-5のフルモデルチェンジでG-ベクタリング コントロールが搭載された場合に、買い替えに値する機能であるか情報を集めるのが目的です。
また、改良前のアクセラは運転したことがありませんので、G-ベクタリング コントロール以外の感想はCX-5と比べての感覚に基づいています。
新型アクセラに試乗して感じたこと
全長 4,470㎜のアクセラスポーツはちょうど良い大きさに感じます。全幅は1,795㎜もありますが、CX-5になれているせいか、コンパクトに感じました。
さっそく運転席に乗り込むと、車高が低い!
(実際には普通)
CX-5の高い目線に慣れているため「あ~、乗用車ってこんな感覚か~」となりました。
次に感じたのは、マツダ車に共通する運転威勢の自然さ。
シートポジションを合わせると、右足を伸ばせばアクセルが、左足を伸ばすと自然な位置にフットレストがあります。ハンドルに手を伸ばし、右手をスッと下げた位置にはコマンダーコントロールがあるのもCX-5と同じです。
エンジンは既にかかった状態でしたが、とても静か。
同じ1.5ディーゼルを積むデミオやCX-3より明らかに静かで、2.2ディーゼルを積む2015年モデルのCX-5よりも静かです。
エンジンが静かに感じたのは標準装備されるナチュラル・サウンド・スムーザーが効いているせいかもしれませんが、時折3速2,000rpmまで引っ張るCX-5に比べポンポンとシフトアップするアクセラはエンジン音が高まらず、試乗中とにかく静かでした。
1.3トンの車には1.5のディーゼルがベストバイと感じられるほど総合的なバランスが良く、SUVが必要ない方はこれが最高です。
G-ベクタリング コントロールを体験
目玉のG-ベクタリング コントロールの効果が感じられたかと言うと、、正直よく分らない。
ハンドリングはリニアです。切った瞬間に曲がる。まさに意のまま。超気持ちいい。
ただ、アクセラって元からこんな感じでは?
それよりもCX-5から目線が下がったことの違和感、トルクが違うことによる加速感の差が「やっぱり違うな」という印象です。
15XDの1.5ディーゼルの印象はちょうど良い力という感じで、ふだん2.2ディーゼルのトルク42.8kgに慣れているせいか、力があるとは感じませんでしたが、必要な時に必要な加速が得られる感じです。
CX-5の2.2ディーゼルでは注意しないと、ついついスピードの出し過ぎになってしまいますが、アクセラの15XDはそのようなことはありません。
新型アクセラの15XDと22XD、自分ならどちらを買うかで言えば、絶対に22XD。
せっかく15XDを搭載してもらって申し訳ないですが、22XDのトルクに慣れているので「必要十分な加速性能」には戻れません。
無駄のないところに余裕なし。多少の価格差もお楽しみ代と考えれば安い物です。
それ以外に街乗りで感じたことは、荒れた路面が多かったにも関わらず、乗り心地は大変良好。18インチタイヤを履いていましたが乗り心地に不満が出ることはまずないと思います。
走りのスッキリ感もCX-5より好印象でここも羨ましいと感じたポイントです。ただ、目線が低くなる間隔は終始慣れず。
やはりSUV特有の視線の高さは運転が楽で疲れません。
G-ベクタリング コントロールを確認する方法
街中の試乗が終わった後、今度はバイパスを含むカーブ、登坂のあるコースを走りました。
ここでもG-ベクタリング コントロールの効果はハッキリと分らず「今効いているの??」と言う感じです。
マツダが公開しているG-ベクタリング コントロールの有無の効果を説明する動画ではステアリングの修正量や同乗者の姿勢変化などが見れますが、市街+郊外のカーブを走ったくらいでは劇的に変わる!とまでは言えないと思いました。
G-ベクタリング コントロールの効果うんぬん以上にアクセラ素性が良すぎるようで、多少のカーブを曲がった程度では「気持ちいい!」の感想しかありません。
ディーラーの担当者には正直に「ハンドリングが良いのは分りますが、G-ベクタリング コントロールの効果なのか、車の素性なのか分りませんでした」と伝えたところ、、
「横に乗っている方はカーブでとてもスムーズに感じました。」
「身構えるようなコーナーでも全く緊張しません。」
「ハンドルを持たれる方よりも、同乗者の方が体感しやすいかも知れません。」
なるほど、G-ベクタリング コントロールの効果は同乗者に聞けと。
しかしながら、いつも助手席に乗るウチの妻は車に乗ると10分で寝る。
お酒が入ると3分で。
G-ベクタリング コントロールの付いてないCX-5で山道をぶっ飛ばし「どうよ、このハンドリング!」と感想を聞いても、ヨダレを垂らしながら爆睡されている。
G-ベクタリング コントロールの感想を聞いても寝言を言うのが関の山です。
G-ベクタリング コントロール付きの車に乗ると、もともとハンドリングが良いのかG-ベクタリング コントロールの効果なのか分らない。
G-ベクタリング コントロールの車の助手席に乗せてもらっても、ふだんからその人の運転に慣れていないと、G-ベクタリング コントロールが効いてカーブがスムーズなのか、単に運転が上手いだけなのか分らない。
取りあえずの結論としては、G-ベクタリング コントロールが付いただけでは新型CX-5に乗り換える必要はなさそうですが、試乗者だけでもオン/オフが切り替えられるように出来ないのでしょうか。
評価の難しい技術です。
カラー化されたヘッドアップディスプレイ他
CX-5には付いてないヘッドアップディスプレイです。
新型のアクセラは表示がモノクロからカラーになりました。
ヘッドアップディスプレイの付いてない車に慣れているせいなのか、表示文字が小さすぎて分り難かったせいなのか分りませんが、見た目のインパクトの割に機能的なメリットは感じません。
その他、気になったのは15XDは最高グレードのLパケでも電動パーキングブレーキが付かず、サイドブレーキをグイッとやる必要があります。見た目にも鬱陶しい(2.2XDは標準)
また、量販グレードと思われる15XDプロアクティブ、素の15XDはタイヤが16インチ(205/60R16)になるため、カーブでスッとステアリングを切ったときに18インチモデルのようなスッキリ感はないかも知れません。
個人的に嬉しいアップデートは対車両で約4~80km/h走行時、対歩行者にも約10~80km/h走行まで対応した自動ブレーキ。スバルのアイサイトVer3に大きく水をあけられていたので嬉しい進化です。
新型アクセラに付けたいオプション
こんな感じで新型アクセラの試乗は終わりましたが、自分がアクセラを買うのでしたら絶対に付けたいオプションがこちらの純正スポイラー。
何でしょうか、このカッコよさ。純正ならではのマッチングで精悍な顔つきのアクセラがさらにカッコよくなります。
アクセラの試乗後、同じコースをCX-5で走る
新型アクセラの進化を確認するため、試乗コースと同じルートをG-ベクタリング コントロールの付いてない2015年型のCX-5で走りました。
G-ベクタリング コントロールの有無以上に感じたのは、街中を流す程度の場合、エンジン音はアクセラ15XDの方が静かということ。
CX-5の音質は明確にディーゼル感を感じます(不快ではない)
また、DE精密過給制御の効果か、アクセルの踏み込みに応じたエンジンの応答もアクセラの方がスムーズで、CX-5は低速走行時に若干ギクシャクします。
CX-5はSUVとしてはロール、ピッチング、ブレーキ時のノーズダイブの少ないハンドリングの良い車ですが、アクセラのようなスポーティーな車に乗った後に乗ると、SUV特有のモッサリ感を感じます。
G-ベクタリング コントロールの効果を実感
最後にG-ベクタリング コントロールの有無を感じられたかについては、、G-ベクタリング コントロールのないCX-5は意識して(実際は無意識にやってる)アクセル操作をしないとカーブ手前でトルクが落ちない(前荷重にならない)
アクセラと同じ感覚(カーブにあえて定速で進入しスパッとステアリングを切る)で曲がろうとすると、同じようなスムーズさでカーブを曲がれません。
アクセラに乗る前の記憶をほじくり出し、カーブ手前でアクセルを気持ち抜いて、、という作業を行えば、今まで通りスッキリしたハンドリングで曲がります。
というわけで、G-ベクタリング コントロールの効果は最後に乗った自分のCX-5で体感できました。
常にオンだと単に車の性能が良いだけに感じてしまうのは評価が難しいところですが、アクセラの試乗でオン/オフ出来れば誰でも効果を感じられるくらい違うのでしょう。
G-ベクタリング コントロールの効果を確認しに行くときは、いつも助手席に乗せている方と一緒に試乗されるのがおすすめです。
旧型と比較したらG-ベクタリング コントロールの効果が分った、と言う記事はこちらから。