魚はほんの少しの知識と手間を掛ければ、とてもリーズナブルに美味しいものが食べられる。
魚屋時代に(一番ではないかもしれないけど)美味しい!と感じよく食べていたのがていたのが鯖のしゃぶしゃぶと天然タイのアラで作る骨蒸し。鯖は九州産、五島列島辺りで水揚げされる、秋の鯖を使えば最高だ。もちろん、しめ鯖になるような新鮮な鯖を使うので、一匹当たり380~780円という値段になるけれど、一匹あれば大人二人、大きい鯖なら3人でも十分足りる。お肉をメインにした場合、1人1,000円円は掛かってしまうのではないだろうか。
日によってばらつきがあるけれど、秋なら新鮮な脂の乗った鯖が500円前後で販売されているだろう。
美味しい魚の見分け方は巷にあふれているのでふれる必要はないけれど、
・お腹が柔らかくなっていない>新鮮さの目安
・青々としている>新鮮さの目安
・目が透き通っている>新鮮さの目安、だけど九州産なら多少は濁る
・お腹のしたの方が赤みを帯びている>脂が乗っている
・太っている(丸みをおびている)>脂が乗っている、身がたくさんある
・身に弾力がある>新鮮さの目安
・臭くない(笑)
といったところは押さえたい。
鯖しゃぶのレシピもクックパッドを探せばいいものがたくさんある。
500円が料亭の味になるかどうかの問題は、如何にいい鯖を選び、正しい調理法で料理(保存)し、正しい食べ方(薄切りにして冷蔵庫に入れたらもう魅力半減)ができるかにかかっている。
五島列島の鯖、たった500円だ。
もちろん、下関の関鯖や上関の鯖、その他、仲買が提案(押し売り)してくるブランド鯖もたくさん食べてきたけれど、500円と4,000円の違いは無い(あ、、、刺身で食べた時は違ったかも)
対面コーナーの鯖をそのまま買って帰る。もしくは、魚屋さんで、水をなるべくつけないように、付いたらキッチンペーパーで拭いてとお願いして三枚に下ろして貰い、うす塩をして貰う(どこの魚屋さんデモ塩は振ってくれる。親切なスタッフなら塩を洗う時間、酢に付ける時間のメモをつけてくれるハズだ)
塩を振って1時間30分、出来ればドリップが身につかないようにザルをかませたい。
30分もすると余分な水分が臭みと共に出てくるはずだ。
時間がきたら、塩分が残らないよう丁寧に洗ってキッチンペーパーで水気を拭く。
皮をはいで、時間があれば骨を抜く(めんどくさかったら中骨のところで半分に割ろう)
昆布でも敷いたお皿に乗せて、中まで火が通らない程度にしゃぶしゃぶしよう。
脂が乗った秋の鯖、500円で楽しめる。
もうひとつ、天然タイのアラは申し訳ないけれど魚屋の特権だ。
普通に買うと大きい物(顔)で1,000円は下らないけれど、ほとんど毎日貰って帰っていた。
骨蒸しは魚の味がダイレクトに感じられる。
塩とお酒。ごまかしがきかない。
骨からは魚の持っているうまみ、香り、コクが。
大きい顔なら唇のゼラチン、頬の裏側にあるトロッとした身。
もちろん目玉も最高だ。
今は子供たちが食べる(生意気なことに体は食べない)のでめったに口にすることは無くなったけれどどんな味かは直ぐに思いだせる。
鯖しゃぶと骨蒸し、元魚屋おすすめの一品。