秋の味覚は酢でサッパリ!元魚屋がシメ秋刀魚の酢加減を5段階評価するとこんな感じ|蕎麦が好き

秋の味覚は酢でサッパリ!元魚屋がシメ秋刀魚の酢加減を5段階評価するとこんな感じ

秋の味覚である脂が乗った秋刀魚。刺身も美味しいが、秋刀魚の生臭みや青魚が苦手な人はシメ秋刀魚がおすすめだ。塩で臭みを含んだ余分な水分を抜き、酢でシメることで秋刀魚の甘みがよりひき立つ。





刺身用の秋刀魚を買った時は、半分を普通のお刺身に、半分をシメ秋刀魚にしてみるのもいいだろう。シメ鯖と違って塩、酢につける時間も短時間でOK!お手軽に出来るものおすすめのポイントだ。

以下、シメ秋刀魚の作り方。

粗塩で水分と臭みを抜く


刺身用の秋刀魚をさばくのと同じ要領で秋刀魚を3枚に下ろす。さばき方は何でもいいが、大名下ろしで下ろすのがいいだろう。

三枚に下ろし腹骨をすいたら、皮を付けたまま塩焼きよりも強めに塩をまぶす。シメ鯖と違い、身が見えなくなるほど塩をしては塩辛くて食べられなくなるので注意しよう。

秋刀魚に塩を振ったら冷蔵庫へ。15分くらいしたら水分と臭みを含んだドリップが出てくる。


塩に漬ける時間の目安


塩に漬ける時間はどれ位水分を抜くか次第だ。秋刀魚の新鮮度合いや好みに応じて塩に漬ける時間を調整しよう。以下は塩に漬ける時間の目安だ。

・シメ秋刀魚の塩漬け時間:15分

新鮮な秋刀魚で、秋刀魚のお刺身が好きな人には15分位がおすすめだ。秋刀魚の刺身とシメ秋刀魚の両方の長所が楽しめる。

・シメ秋刀魚の塩漬け時間:30分

若干鮮度の落ちた秋刀魚(たとえば、市場がお休みの日曜日に買った秋刀魚など)や、秋刀魚の生臭みが苦手な人におすすめの漬け時間。元魚屋である2児のパパは15分から30分以内の塩漬け時間が好みだ。

・シメ秋刀魚の塩漬け時間:1時間

秋刀魚は身が薄く塩がしみ易いため、1時間は少々長すぎる漬け時間。塩の量が多いと塩辛くなってしまうので注意しよう。1時間漬ける時は、翌日食べるシメ秋刀魚を作るときくらいだ。

・シメ秋刀魚の塩漬け時間:3時間以上

塩秋刀魚になってしまい、食べられない。塩に漬けたまま忘れないようにしよう。うっかり塩に漬けたまま忘れていた場合は塩を洗い流す時にため水に数分漬けると塩分が抜ける。ただ、長時間漬けすぎると秋刀魚の味も落ちるのでやむを得ない場合のみにしたい。

臭みドリップ!


写真は塩に漬けて15分経過した状態。うっすらとドリップが出ているのが分かるだろうか。味にこだわる人はこのドリップが身に付かないようにザルなど水が下に落ちる状態で漬けるのがよい。味は若干変わってくる。


塩を洗い流す


塩に漬けた秋刀魚は所定の時間が経過したら流水でしっかりと塩分を洗い流す。

塩抜きが弱いと塩辛くなってしまうので丁寧に洗い流そう。ため水につける必要はないので、チョロチョロ流す流水で15秒程度流すのがちょうどよい。あまり長すぎても身が水っぽくなってしまう。

水洗いした秋刀魚はキッチンペーパーで丁寧に水気を拭きとろう。


酢と昆布


次は秋刀魚を酢でしめる。

酢は市販の米酢や穀物酢なら何でもいいだろう。もちろん、高級な酢を使えばそれだけ美味しくなる。酢の中には昆布を一枚入れておこう。昆布を入れると旨みが酢と秋刀魚にしみ込んで美味しい。とはいっても新鮮な、脂が乗った秋刀魚なら、安い酢に特売の昆布でも十二分に美味しい。予算があるなら他のおかずにまわすべきだ。


酢の漬け時間を5段階評価


酸っぱいのが得意な人も、苦手な人も楽しめるシメ秋刀魚。酢の漬け時間はお好みで。以下は酢の漬け時間の目安。塩と違って一日漬けても酢がよくしみて美味しい。

・シメ秋刀魚、酢の漬け時間:15分

殆どお刺身と変わらない漬け時間。お刺身より気持ち臭みが少なく、ほんのり甘いシメ秋刀魚。すっぱいのが苦手な方はこれくらいでも十分美味しい。

・シメ秋刀魚、酢の漬け時間:30分

秋刀魚の甘みと酢のサッパリ感がちょうどいい感じの漬け時間。新鮮な秋刀魚は30分位の漬け時間がおすすめだ。2児のパパは30分がデフォルト設定。

・シメ秋刀魚、酢の漬け時間:1時間30分

酢の味がしっかりしみる漬け時間。新鮮な秋刀魚なら秋刀魚の臭みは全くない状態になっている。海鮮丼や手巻き寿司のネタにしても(安いのは何より価値がある)変わり種になって良いだろう。

・シメ秋刀魚、酢の漬け時間:3時間

身が真っ白になる位の漬け時間。とにかくすっぱいのが好き!という人におすすめ。

・シメ秋刀魚、酢の漬け時間:半日以上

シメ秋刀魚を翌日食べる場合など、保存食として作る場合。かなり酸っぱい状態だが、これはこれで美味しい。これまで青魚は苦手だった方、高齢者等、生の魚を食すのに抵抗がある人にもおすすめだ。


酢の漬け方


秋刀魚や鯖を酢に漬ける時はキッチン用のビニール袋を利用しよう。空気を抜けば少ない酢で漬けることが出来る。袋に入れたら冷蔵庫で寝かせよう。袋を二重にするか、ボールや大きいお皿に入れておけば、袋に穴があいていてもシメ冷蔵庫にならなくて済む。


酢から取り出す


秋刀魚を酢から取り出した状態。

この写真の秋刀魚は30分くらい酢に漬けた状態だ。


秋刀魚の皮を剥ぐ


秋刀魚を刺身に切っていく。その前に、秋刀魚の皮を剥ぐのを忘れないように。頭の方から、身がちぎれない様にゆっくりと剥いでいく。意外と簡単な作業だ。

刺身の切り方はお好みで。

酢の漬け時間が1時間未満なら中骨が若干気になるので骨を取り除こう。1時間以上なら骨が柔らかくなるのであまり気にならない。


シメ秋刀魚の出来上がり


脂の乗ったシメ秋刀魚の出来上がり。

秋刀魚と盛り合わせるなら淡白な魚。白身の魚かイカやタコ。貝類を合わせてもいいだろう。1匹で2人前くらいの分量だ。


酢の酸味と甘みがベストバランス


塩で程良く水分が抜け、酢の酸味が甘みを引き立てる。秋刀魚の刺身は苦手だという方にこそ食べて頂きたい。秋の味覚、安くて美味しい脂が乗った秋刀魚はシメ秋刀魚がおすすめだ。


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