ブログやTwitterの投稿から新鮮な魚、美味しい魚を食べて食生活が良さそうなイメージを持たれているかも知れないが、実際の所、元魚屋の食生活は、、、けっこう良いかも知れない。
毎日美味しい魚を食べれる訳ではないが、魚屋の目利きと調理技術があれば、一般家庭よりも安くて、美味しい魚を食べる頻度が高くなるのは事実だ。
元魚屋の食生活を支える行楽ついでの夕食調達
先日は山口県下関市の水族館、海響館へ子供を連れて遊びに行ってきたが、元魚屋が水族館だけで満足する訳がなく、ついでにというかこちらがメインのような気もするが隣接する唐戸市場でお刺身用のトラフグ(身欠きフグ)を買ってきた。お家ご飯と言ってもトラフグなので絶対的に安くは無いが、お店でフグ料理を食べるよりは格段に安く、味はともかくフグ料理をお腹いっぱい食べることができる。
※唐戸市場で買ってきたトラフグ
身欠きフグでお手軽お家フグ
もちろん、身欠きフグでもそれなりに調理の手間はかかるが、その手間賃はお店で食べるフグ料理のコストを確実にペイ出来る費用対効果。
※刺し身、フグ雑炊の準備
唐戸市場で販売されているフグ
下関の唐戸市場で販売されているトラフグは養殖が中心になっている。
最近は天然のトラフグが入荷することは少なくなっており、天然のトラフグは値段が高いことに加え、個体によって脂の乗りにムラがある。エサが研究されている為、最近のトラフグは養殖でもけっこう美味しく、時期によってはどちらに分があるか分からない。
参考までに、下関の唐戸市場で販売されているフグは、”天然”と記載されていない限り養殖だ。”特選”や”活き”などのシールが貼ってあるのは”天然”シールが貼れないからかも知れない。
※刺し身用の身欠きフグ。フグの調理免許がなくても家庭でフグをさばくことが出来る
ホントに美味しい?トラフグの白子
唐戸市場へ行ったらせっかくなのでトラフグの白子に挑戦して欲しい。
白子ポン酢、鍋やボイルして生チリの薬味などで食べるフグの白子。実際の所、費用対効果に見合う程の味では無いかも知れないが(同じお金を支払うならアンコウやヒラメでも買った方が美味しいかも知れない)お店で食べるととにかく高い。
高い時と安い時の差がけっこうあるのでお店のおばちゃんに聞いてみよう。
※唐戸市場へ行ったら絶対にチェックしたいトラフグの白子、写真の量で2,000円位
トロリとして濃厚な味。個人的にはパンパンに膨らんだカワハギの生肝の方が好きだ。
※フグの白子は10分程度湯通しする
茹で過ぎ注意!トラフグの皮
身欠きフグの魅力は侮れない旨さのフグの皮。生の皮を絶妙のゆで加減で霜降りにして、もみじおろしの入ったポン酢や刺し身の薬味で食す。
※フグの皮
こりこりとした食感で美味しい。
実際の所、お店で食べるフグ刺しは冷凍モノであることがほとんどだ。大皿に美しく盛られたフグの刺し身はエッジを立てるため軽く凍らせ、半シャーベット状態で調理している。
※トラフグの皮を湯引きにして氷水で冷やす
やっぱり美味しいトラフグのアラ
フグのアラも食べ放題のボリューム。鍋やみそ汁にするなら身を使うより絶対に美味しい。
※フグ雑炊用のアラ。安価な白サバフグとは違った出汁の旨みだ
唐戸市場のフグは当日よりも翌日に
フグの刺し身は当日食べるより一晩寝かせた方が絶対に旨い。当日に食べると歯ごたえは良いが味があまりしないだろう。とは言ってもコリコリのフグ刺しを食べる機会もあまりないので、量がある時は当日、1日寝かせた状態、2日寝かせた状態と食べ比べてみるものおすすめだ。
※刺し身用に柵どりしたフグ。
柵どりした身は一晩寝かせることで不要な水分が抜けるのと、熟成して旨みが増す。
※生チリの準備中
唐戸市場の身欠きフグで作る、トラフグの生チリ
フグ引き用のてっさ包丁がなかったので野菜を切る洋包丁で作ったトラフグの生チリ。急いで作ったので最悪の出来だが、お家ご飯なら問題なし。これで1,500円位の材料費だ。当日のフグだったので旨みは少なめだったが贅沢に食べれるのも家ご飯ならでは。
※家庭で作るトラフグの生チリ
フグ刺しとフグチリの締めはフグ雑炊。足りなければいくらでも追加できるのがお家ご飯の魅力。
元魚屋の食生活は結構いいのかも知れない。
※締めはフグ雑炊