見事な霜降り肉だったため、晩酌のおつまみ用に数枚を牛刺しで食してみた。
表面を指で触ると解け出す程の良質な脂肪。
脂が解けた宮崎A5和牛の牛刺し、見た目は大トロと言っても過言ではない。
食べてみた感想は、、、
「味がねぇ・・・」
パンチが効いた見た目と異なり、ときどき外れる宮崎A5の和牛。
見た目は美味しそうなのに食べてみると旨みが少ないお肉。
霜降りはそこそこでも味が濃く、噛めば噛むほど甘みがあふれ出すお肉。
素人に美味しいお肉を見分けるのはなかなか難しい。
肉の各付け等級で最上級の肉を示す”A5”の肉でも飼料の影響が大きいと言われる脂肪の旨みは個体によって大きく異なり、柔らかさや脂肪の量よりもアミノ酸系の旨みを重視する自分は何を基準に肉を選んだらいいのだろうか。
参考までにJMGA(公益社団法人・日本食肉各付協会)によると、A5、A4などの肉の各付け等級は歩留等級と肉質等級で表記が決まり、歩留まり等級は一言で言うと肉つきの程度、肉質等級は文字通り肉質の善し悪しになる。
■歩留まり等級区分
A:部分肉歩留が標準より良いもの
B:部分肉歩留が標準のもの
C:部分肉歩留が標準より劣るもの
標準より肉歩留がよい肉はAxとなり、標準の肉はBxとなる。
肉の各付等級の2つ目の要素である肉質等級は
1.脂肪交雑(霜降り、刺し)
2.肉の光沢
3.肉の締まり及びきめ
4.脂肪の光沢と質
の4項目で決定され、それぞれの等級区分の判定後、最も低い等級に各付けされる。
■脂肪交雑の等級区分
霜降りの度合い(脂肪交雑)は、筋肉細胞に沈着する脂肪のことで、ビーフ・マーブリング・スタンダード(BMS)で12段階の基準により5~1の5等級に区分される。
5:かなり良いもの(No.8~No.12)
4:やや良いもの(No.5~No.7)
3:標準のもの(No.3~No.4)
2:標準に準ずるもの(No.2)
1:劣るもの(No.1)
脂肪交雑の等級が高いほど肉を噛み締めたときの食感がよく、柔らかい肉と言える。
■肉の光沢の等級区分
5:かなり良いもの(かなり良いもの)
4:やや良いもの(やや良いもの)
3:標準のもの(標準のもの)
2:標準に準ずるもの(標準に準ずるもの)
1:劣るもの(等級5~2以外のもの)
■肉の締まり及びきめ
5:かなり良いもの(かなり細かいもの)
4:やや良いもの(やや細かいもの)
3:標準のもの(標準のもの)
2:標準に準ずるもの(標準に準ずるもの)
1:劣るもの(粗いもの)
■脂肪の色沢と質
5:かなり良いもの(かなり良いもの)
4:やや良いもの(やや良いもの)
3:標準のもの(標準のもの)
2:標準に準ずるもの(標準に準ずるもの)
1:劣るもの(等級5~2以外のもの)
肉質等級の例)
肉質等級の4項目が以下の場合、肉質等級は4となる。
脂肪交雑:5
肉の色沢:5
肉の締まり及びきめ:5
脂肪の色沢:4
以上、見た目重視に感じる肉の各付け等級区分。
元魚屋なので魚の味は産地、時期、エサ、水域、水揚げ方法、鮮度などその他様々な要素から見た目だけで想像できるが、肉の場合は良く分からない。
余談になるが、養殖の鯛やハマチはエサの配合(イワシ、オキアミ等)で味が全く異なり、極端に言えば鯛では無くエサ自体を食べているように感じることもある。
近所の和牛専門店の店主によると「上手い牛は鼻の鼻紋で分かる」らしいが、検証するため宮崎の牛舎で毛並みのいい牛を食べさせてくれと直訴した結果、、、
「帰れ!」
残念ながらこの方法を試すことは出来なかったが、例え判別できたとしてもこんな方法は現実的ではない。
美味しいお肉の見分け方、この等級区分からどのように肉の旨み、甘みを判別できるのか、もしくは他の方法で判別できるのか、何方か詳しい方がいたら(現実的な範囲で)教えて貰えないだろうか。