新鮮な魚や美味しい魚の見分け方って難しいですよね。
魚屋さんやスーパーで魚を見ても、どれが美味しくてお買い得か分からない。お店の人に「これ、美味しいよ!」と言われて買ったけど、なんか違う。お金をたくさん出せばよい魚が手に入るけど、なるべく安く手に入れたい。
そんなとき、チョットしたコツを知っているだけで、普通よりも安くて美味しい魚を手に入れることができます。
魚屋の経験を元に、もっと安く。もっと美味しい魚を手に入れる方法をまとめました(13の数字に特に意味はないので、何かあれば今後も追記予定です)
1.初物に踊らされるな
9月の上旬になるとスーパーで秋刀魚を見かけるようになります。この時期の秋刀魚は1匹300円前後。シーズンの倍近い値段で販売されています。
脂乗りが不十分な秋刀魚は本来の実力を味わうにはもうひとつ。「初物!」とテンションが上がり、つい手が伸びそうになりますが、肉でも食べて値段が下がるのを待ちましょう。
※秋刀魚なども同じことが言えます
2.中途半端な加工品を買うな
刺し身用のブロックのコーナーで「当店手造り」というシールが貼られたシメ鯖を見かけたことはありませんか?
冷凍モノよりやっぱり手造りだよね、と思った方はよく考えて下さい。
魚屋は楽をして儲けようとしています。
表現を間違えました。
魚屋は利益を追求しています。
コストをかけずに売れる生の鯖を手間暇かけてシメ鯖にする魚屋はいません。シメ鯖に限りませんが、中途半端に並んだ加工品はよほどこだわりのある魚屋でない限り、”訳あり”がほとんどです。
売れ残った鯖で作られたシメ鯖なら、旬な時に水揚げされ、鮮度の良い状態で作られた冷凍のシメ鯖の方が美味しいことあるかも知れません。
あ、やっぱり冷凍のシメ鯖も美味しくないです。
美味しいシメ鯖が食べたかったら、生の鯖を買って自分でシメサバを作りましょう。
3.デパ地下で買っても味は一緒
魚はどこで買いますか?
激安スーパーの魚には抵抗がありますか?
最近の激安スーパーのクオリティーはデパ地下の魚屋も真っ青です。品ぞろえこそ高級な食材はありませんが、鯛やサーモン、イカなど家庭料理に定番の食材を買うには全く問題がありません。
養殖の鯛、ノルウェー産の生サーモン、市場から箱買いで仕入れるイカはどこで買っても大差なし。高級なお店だから見えない所にお金がかかっているのだろうと考えられた方は流石です。
人件費とテナント料など、食材とは関係ない部分にコストがかかっています。
4.切身を買うならアラを買っとけ
食卓に上るのは切り身の魚ばかりという方はいませんか?
切り身のサケ、切り身の鯛、切り身のブリ、切り身のカレイ・・・
魚料理が苦手な方に多いのが切り身を使った魚料理。確かに調理は簡単ですが、魚料理の中でもっとも美味しくないのが切身を使った料理です。
逆に食通が好むのが魚のアラ。皮、目玉、ほほ肉、アゴ肉、カマ、腹身などは旨みの宝庫です。3切れで1,000円もするような切身魚を買うくらいなら、美味しい部位の入った1パック298円のアラ炊きの方が100倍満足できると思います。
5.大きすぎる時は遠慮なく申し付けよう
美味しそう!と思っても魚が大きすぎて予算オーバー。
こういう時は遠慮なく半身で売って貰えないか店員さんにお願いしてみましょう。
間違ってもあらかじめ調理済みで二枚下ろしになっている魚を買ってはいけません。訳あり品の可能性です。
6.魚屋は5回の内、2回は期待外れ
魚の相場はその日の水揚げに依存します。
天気の悪い日は魚が少なく相場も高め。
そんな日は魚屋も仕入れを控えます(高いものを無理して仕入れても売れない)
私の生活圏内にあるスーパーでは、買物に行っても5回の内、2回はガッカリしています。
事前に献立を決めて買物に行くのはとても恐ろしい行為だと思います。
7.まぎらわしい魚に騙されるな
マアジと丸アジ。真鯖とゴマ鯖。
魚屋にはシロウトいじめのトラップがたくさん仕掛けてあります。
この時期に多いのが大きくて新鮮そうに見えるのに、何故か安い丸アジ。
マアジとの鯵は同じように見えて味は全く別物(マアジの方が旨い)
刺し身はもちろん、煮ても焼いても、揚げ物にしてもビックリするくらい美味しくないのが丸アジです。紛らわしい魚に騙されないようにしましょう。
8.激安魚はホントの訳あり?
デパ地下の魚屋を偵察していると、刺し身用、鮮度抜群の天然ヒラメ(1.2kgサイズ)が980円!
思わず買いそうになってしまいましたが、よく見ると産地が気になる場所。
相場を知っていれば買うことはありませんが、あまりにも安すぎる魚はホントの訳ありかも知れません。情報がないのは不安ですね。
9.安くて美味しい魚が欲しいなら11時までに買いに行け
私が良く利用しているスーパーには天敵がいます。
魚を知ったベテランのバイヤー、プロ顔負けで朝早くから魚を買いあげる、”地元のじいちゃん・ばあちゃん”です。
フットワークを活かし、開店直後から買物にくるおじいちゃん、おばあちゃんは掘り出し物を見極める目利きのスキルもハイレベル。安くて美味しい魚を買うなら、早い時間にお店へ向かいましょう。
10.子持の魚は美味しくない
ご存知かと思いますが、お腹に卵を抱えた魚は美味しくありません。桜鯛が美味しいなんて、とんだ出まかせです。鯛やブリ、鯖やアナゴ。多くの魚が美味しくなるのは、冬超えに備えて脂が乗るの時期です。
魚をさばいている時にお腹からパンパンに膨らんだ卵や白子が出てきたら、残念な気持ちになります。
11.刺し身の原価率は数%~50%
刺し身の原価率は数%~50%。
多くの場合、対面コーナーの丸魚を買って、自分で刺し身を作る方がお買い得です。
唯一例外なのが、デパ地下で販売されている大トロの刺し身。
デパートに大トロの刺身を買いに来るお客様は特別な存在です。
私が働いていた魚屋では、絶対にガッカリさせない質のマグロを、ほぼ原価、時には赤字で販売してました。魚屋で刺身を買うなら、大トロに限る!?
12.切ったら食べる。つまみ食いをしよう
つまみ食いは行儀が悪いですか?
本当に美味しい魚を食べたいなら、つまみ食い以上の方法はありません。
切ったら、食べる。
茹でたら、頬張る。
焼いたら、かじる。
刺し身を切った後に冷蔵庫に入れると、一度解けた脂が凝固するため激しく味が落ちます。回らない寿司屋で切って貰った刺し身が妙に美味しいのは、切り立てだからです。
刺身は食べる直前に作りましょう。
13.魚の値段は日によって全く違う
私が魚を買うのは魚がお買い得な時だけです。
納得いかない鮮度、納得いかない値段の時は肉を買います。
雨や時化、急な気温の変化などで水揚げが少ない日は市場の相場が急騰するため、魚を食べる日には向いません。反対に穏やかな天気が続いた後の土曜日や、市場が休み明けの月曜日は魚の日といっても過言ではないほど良い魚がそろう日。
広告の品ではなく、天候をみて買物に行くのも賢い方法だと思います。
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