子どもがパワーウインドに挟まれたという事故について、子どもを頻繁に車に乗せる親としては関心を持たずにはいられません。
実際、どれくらいの事故が発生しているのか調べてみました。
平成22年7月21日 独立行政法人国民生活センターの調査結果によると、2005年度から2009年度までにパワーウインドウによる事故事例が23件寄せられているそうです。
資料から主な事例を引用します。
●事例1
パワーウインドウに右手中指を挟み指先を欠損した。挟み込み防止機能が指を感知できないのは問題ではないか?
●事例2
乗用車の後部座席に乗って、窓から頭を出していた際に、運転手がそれに気付かず窓を閉めた為に首が挟まれた。
●事例3
走行中、パワーウインドウを閉め息子の中指を骨折させた。不注意ではあったが挟み込み防止機能が役に立っておらず不満。
●事例4
外から車の窓より右腕を車内に入れていたところ、気付かれずに車内にいた人が窓を閉めたため腕を挟まれた。
●事例5
息子が車のパワーウインドウに手の指を挟まれ骨折した。
●事例6
パワーウインドウの安全装置が働かず指を骨折した。
出典 独立行政法人国民生活センター パワーウインドウの安全性
URL http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20100721_1.pdf
パワーウインドウが閉まるときにどれくらいの力が掛かるのか
独立行政法人国民生活センター 「パワーウインドウの安全性」の調査結果によると、パワーウインドウが閉まるときの力は下記の通り。
●パワーウインドウが閉まるときの力は平均34.1kgf
●挟み込み防止機能が働くときの力は平均14.1kgf
※国産乗用車8社24銘柄と外国車2社2銘柄をテストした調査結果
パワーウインドウが閉まる力が30kgfの場合、上昇中のウインドウを片腕(利き腕)で静止できる人は、女性では30%しかいとも報じられており、はさみ込み防止機能が働かない機構のパワーウインドウは大人でも危険であると言われています。
車種によって異なる?
同調査結果によると、パワーウインドウが閉じる際の力は車種によって差があり、誤ってパワーウインドウのスイッチを引き続けた場合、一番力が強い車で55.4kgfという結果でした。
●閉まる力が一番強い車:トヨタ アルファード運転席の55.4kgf(はさみ込み防止が働いた場合は20.7kgf)
●閉まる力が一番弱い車:SUBARU インプレッサ後席助手席側の16.7kgf(はさみ込み防止機構なし)
※トヨタ アルファード DBA-ANH25W 平成21年式、SUBARUインプレッサ DBA-GH2 平成22年式
パワーウインドウが閉じる力の違いは車の大きさが比例したりメーカーによって強い・弱いなどの傾向はなく、車種(型式)でバラバラ。
実際にどれくらいの力が働くのか、気になる場合は問い合わせるしかありません。
参考までに、マツダCX-5(形式LDA-KE2AW)のパワーウインドウのはさみ込み防止機構は運転席のみ装備。
はさみ込み防止機構
運転席に装備しています。
閉めるときに、窓ガラスと窓枠の間に異物のはさみ込みを感知すると、
窓ガラスが閉まるのを停止し、自動的に途中まで開きます。
はさみ込み防止機構は次のようなときに作動します。
・電源ポジションがONで窓ガラスを自動で閉めているとき。
・電源ポジションをOFFまたはACCにしてから約40秒の間に窓ガラスを閉めているとき。
出典 マツダCX-5操作マニュアル
度重なる事故から全車・全席標準が望まれますが現状で出来ることは、子どもが操作出来ないようにすること。
はさみ込み防止機構の有無を問わず、幼児を乗せる場合はパワーウインドウはロックし、子どもが誤って操作しないようにしましょう。