今回ご紹介するのは日本一の魚のはく製水族館こと、鳥取県境港にある「海とくらしの史料館」
松葉カニをはじめ新鮮な魚介がそろう境港直売センターと、ゲゲゲの鬼太郎の水木しげるロードの間に挟まれ、うっかりすると見落としてしまいそうなところにある小さな水族館だ。
ただし、水族館といっても水はなく、そこに並ぶのは特殊な薬品にさらされ、骨・肉・内臓を取り除かれた魚たち。
「海とくらしの史料館」には体長4.2メートルのホオジロザメをはじめ、700種類・4000点の魚やカニなどの本物のはく製が所せましと展示されている。
正直なところ、「どうせさびれた施設だろう」と最初は期待していなかったが、行ってみると魚好きにはたまらないお魚のサンクチュアリだった。
さっそくご紹介したい。
海とくらしの史料館の中庭。
特に何かある訳ではないが、神聖な雰囲気がただよう。
海とくらしの史料館の入り口。
外観はパッとしないが、この先にサンクチュアリが待っている。
観光気分の浮ついた気持ちを捨て、心して入館して欲しい。
そうそう、
入館前はこちらの「妖怪くるくるガイド」で心の準備をしておくことをおすすめする。
レバーをクルクル回すことで電気が発電され、音声ガイドを聞くことができる画期的な代物だ。
サメじゃーーーーー!
いやっほーーーう!!!
突然のサメのお出迎えに若干取り乱してしまったが、体長4.2メートルのホオジロザメのはく製はそれくらいのインパクトがあった。
もし、「妖怪くるくるガイド」で心を整えていなかったら、今ごろ自分がはく製になっていたかも知れない。
恐るべし、サンクチュアリ。
入り口付近ではこの世に生を受ける唯一の生き物を見ることができた。
残りの700種類・4000点の魚やカニ、貝たちの体は既にここにない。
なぜならここは、サンクチュアリだから。
館内にはお魚写真展コーナーという、サンクチュアリには似つかわしくない場所もあるが、空をよく見て欲しい。
ここが神聖な場所と分るはずだ。
恐る恐る奥へ進むと、さらに衝撃的な展開が待っていた。
宙に浮いているのは平成16年11月に境港で水揚げされたマンボウという巨大な魚らしい。
小さな玉は照明ではない。ハリセンボンの亡骸だ。
クロマグロのはく製。
お前は食べて超絶美味しいだけでなく、はく製になってまで人類に貢献してくれるのか。
もはやここまでくると単なる「はく製」と呼ぶのは失礼だろう。ここからはご神体と呼ばせていただく。
もしここを訪れることがあれば、クロマグロのご神体に祈りをささげて欲しい。
人間の過信と慢心を戒めるように、近代的な機械も展示されていた。
よく見て欲しい。
これは貴方の横でいびきをかいて寝る妻の顔ではない。
神聖なネコザメ様のご神体である。
ネコザメ様をはじめ神々たちがどのような方法ではく製にされたかは古来より伝わる古文書を見て欲しい。小さくて見えん!など罰当たりなことを言ってはならない。ここはサンクチュアリなのだ。
サメの御一行様。
この辺から目にするはく製全てが神のように見えてきた。
これがサンクチュアリのパワーか。
この迫力はどうだろう。
きっと、生前は名の知れたサメ神様だったことに違いない。
よく見ると、そのなも「シノノメサカタザメ」というとても偉そうな名前だった。
さしずめ、西の界王神と言ったところか。
西の界王神のしもべたち。
さらに奥へと進む。
あぶない!!
大切な娘がワニの餌食になるところを、間一髪で助けることができた。
よく見ると、はく製だったが。
神聖な場所らしく人影はまばらだ。
勇気を出して舟型の神殿らしき乗り物に足を踏み入れてみた。
その名も「みなと丸」
その昔、神々の力に恐れることなく海上で戦った「サムライ」という男達が乗っていたらしい。
神殿内部はサムライ達がマットや手すりを残してくれたおかげで幼児も安全に見学できる。
サンクチュアリにはその御神体に触れることを許す存在もある。
マンボウだ。
ご丁寧に足元には小さな踏み台が用意してあった。
ありがたく使わせていただこう。
サンクチュアリは柔らかい光で包まれている。
こういう空間でストロボを炊いてはいけない。
歴史の瞬間を記録に残すため、ISOを2000まで上げ、手ぶれに注意しながら撮影した。
あぶないっ!
と思ったら、またもはく製だった。
星の数ほどの空飛ぶハリセンボン。
いったいどのような力で浮いているのだろうか。
まるで今にも動き出しそうなマンボウ。
とてつもなく神聖な場所だ。
神の城からきたという「竜宮の使い」というご神体にも挨拶することができた。
目力と口元のパワーに圧倒され何もしゃべることができなかったが。
竜宮の使いのしもべたち。
あれはっ!!
神が作り出した世界最大のカニ神、タカアシカニ様だ。
すごい、
凄すぎる。
スケールが全く違う。
この辺から圧倒され過ぎて記憶があいまいだ。
さらに!
さっき私が日吉津イオンの新鮮市場で買った松葉カニ、ズワイガニ神様も登場!
その他にもカニ神様が多数祭られている。
ここはカニ神のサンクチュアリでもあるのだ。
すごい。
一般人がここを目の当たりにしたら、余りのスケールに正常な心を保つのが難しいかも知れない。
やはり、最初に「妖怪くるくるガイド」で心を整えておいて良かった。
洗礼と言っても過言ではあるまい。
境港へ来たときは、神々が祭られる場所「海とくらしの史料館」をぜひ訪れて欲しい。
サンクチュアリの奥へ足を踏み入れるのは勇気がいるかも知れないが、受付のお姉さんは可愛かった。勇気づけられるだろう。
うわわわわわ!!!
ぎょえええええええ!!!
「受付のお姉さんが可愛かった」など、浮ついた言葉を発した瞬間、神々たちに襲われかけた。
うっかりしていた。
ここは魚たちのサンクチュアリだったのだ。スケベ根性を出すところではない。
神々の許しを請うように「スイッチを押して神々の名前を当てる」という禅問答で心を清める。
これは世界の裏側の神々だ。
気を取り直し、サムライ達の乗り物「みなと丸」の秘密をのぞいてみよう。
なにもサムライ達のエロ本の隠し場所を暴こうというのではない。歴史は塗り替えられるのだ。
これだ。
みなと丸が神々よりも海上を早く進むことができた力の秘密。
残念ながらこれでどうやって進むことができたのかをこの場で公開することはできないが、この物体には不思議なパワーがあるとだけ言っておこう。
巨神兵の遺産も祭られていた。
勇気があるものは足元の古文書を読み解くがいい。
巨神兵が何をしていたか分るだろう。
サンクチュアリの奥へ進む。
2階にはカニ神の黒歴史が記録されていた。
うっかりこの籠へ入ると二度と出られないらしい。
神でも気がふれることがあるのだろう。
奥へ進むと恐ろしいトンネルがあった。
この奥にサンクチュアリの秘密が隠されているに違いない。
心して進んでくれ。
のっぽは気をつけろ(痛いぞ)
ここで悲報。
残念ながら息子がハリセンボンに襲われ我々は撤退せざるを得なかった。
この先はぜひ自分の目で確かめて欲しい。
未知の世界が待っているはずだ。
海とくらしの史料館
というわけで、遊び疲れた長男が「ハラ、ヘッタ・・・」と言い出したのでサンクチュアリ探検はここでお終いです。
あの先になにがあるのか、どうしても気になる人はこの下に薄く書かれた文字を読んでください。
1階へ降りる下り階段
実際のところ、日本一の魚のはく製水族館「海とくらしの史料館」はお魚好きにとってはサンクチュアリといっても過言ではないほど楽しい場所でした。
観光の所用時間は1時間~1時間30分もあれば十分でしょう。
鬼太郎のついで!なんて言わないで、是非お立ち寄りください。
日本一の魚のはく製水族館「海とくらしの史料館」
所在地 〒684-0016 鳥取県境港市花町8-1
営業時間 9:30~17:00(受付時間は16:30まで)
火曜日(祝日と重なる場合は翌日)、12月31日と1月1日
電話 0859-44-2000
e-mail umikura@river.ocn.ne.jp
料金 小学生・高校生・外国人 100円、一般 400円
スタンプラリーでうれしいお土産が貰える特典あり