マツダは2月23日「CX-5」「アクセラ」「アテンザ」の3車種のディーゼルエンジンにインジェクタ、燃料リターンホース、エンジン制御コンピュータ(ECU)に不具合があるとして、国土交通省にリコールを届け出ました。
対象は2012年2月13日~2017年2月2日に製造された合計17万2095台。
マツダがディーゼルエンジンの煤関連のリコールを届け出ました。
納車後次第に大きくなるノイズと振動から、煤の蓄積問題でいずれリコールになるのでは?と不安に感じていたら、今回合わせて不具合5件のリコールとなりました。
2017年発売の新型CX-5は既に対策済みのことから、新型CX-5の発表とバッティングしないようタイミングを計ったと疑われても仕方ない。
気になるのは不具合の報告件数が751件もあることです。ネットでも以前から警告灯が付いた、エンジンから異音がする、走行中に停止したなどの事例が多く報告されており、後手に回った印象は否めません。
発見の動機も「市場からの情報および国土交通省からの指摘による」とされています。ユーザーからは早期に情報が上がっていたと思いますが、なぜこのタイミングになったのか。
私もディーラーで煤の蓄積による影響は大丈夫かと聞いたことがありますが、そのような情報はないという回答でした。
本当に大丈夫なのか。
リコールの内容を見てみましょう。
ディーゼルエンジン 5箇所の不具合
CX-5ディーゼルのリコール、1箇所目
基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因
ディーゼルエンジンにおいて、インジェクタ取付ナットの締結力が不適切なため、インジェクタガスケットの面圧が低下することがあります。そのため、燃焼ガスがシリンダーヘッドに吹き抜け、エンジンオイルが炭化し、炭化したエンジンオイルがオイルストレーナを詰まらせ、油圧低下により警告灯が点灯し、そのまま使用を続けると、エンジンが焼き付き、最悪の場合、エンストに至るおそれがあります。
改善措置の内容
全車両、インジェクタ取付ナットを増し締めします。また、油圧を点検し、油圧に異常が確認された場合は、エンジン内部を洗浄し、オイルストレーナとエンジンオイルを交換します。
不具合件数 222件
CX-5ディーゼルのリコール、2箇所目
基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因
ディーゼルエンジンにおいて、整備作業時の燃料リターンホースの取扱いが不明確なため、当該ホースに係わる作業時に交換されなかった場合、ホース取付部のシール性低下やホース内部に亀裂が入ることがあります。そのため、そのまま使用を続けると、ホース取付部や亀裂部から燃料が漏れるおそれがあります。
改善措置の内容
全車両、燃料リターンホースを改良品と交換します。
不具合件数 15件
CX-5ディーゼルのリコール、3箇所目
基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因
ディーゼルエンジンにおいて、減速時のエンジン制御が不適切なため、気筒内圧力が低下し、吸気バルブの閉じ力が低くなることがあります。そのため、吸気バルブとバルブシート間に煤が挟まり圧縮不良となって、エンジン回転が不安定になるほか、最悪の場合、エンストに至るおそれがあります。
改善措置の内容
全車両、制御プログラムを対策プログラムに修正します。
不具合件数 370件
CX-5ディーゼルのリコール、4箇所目
基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因
ディーゼルエンジンにおいて、インジェクタ制御回路の電圧変化によるノイズ対策が不適切なため、当該回路に許容を超える電流が流れることがあります。そのため、回路が損傷し短絡することでヒューズが切れ、燃料噴射が停止しエンストに至るおそれがあります。
改善措置の内容
全車両、制御プログラムを対策プログラムに修正します。
不具合件数 98件
CX-5ディーゼルのリコール、5箇所目
基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因
ディーゼルエンジンにおいて、過回転制御が不適切なため、アクセル全開等の際、吸気経路内のブローバイガスに含まれるオイルが燃焼室内で燃焼し、エンジン回転が上昇することがあります。そのため、エンジンの潤滑が不足して焼き付き、最悪の場合、エンジンが破損するおそれがあります。
改善措置の内容
全車両、制御プログラムを対策プログラムに修正します。
不具合件数 46件
CX-5リコール対象台数
KE2AW-100017~KE2AW-217477 平成24年2月17日~平成28年11月16日
51,830台
KE2FW-100009~KE2FW-221328 平成24年2月13日~平成28年11月16日
64,876台
出典 マツダ リコール及びサービスキャンペーン情報
CX-5スカイアクティブDのリコール
リコールの内容を見る限り、CX-5オーナーでなくともため息が出そうな文言が並びます。
●エンジンオイルが炭化
●エンジンが焼き付き、最悪の場合、エンストに至るおそれ
●吸気バルブとバルブシート間に煤が挟まり圧縮不良
●エンジン回転が不安定になるほか、最悪の場合、エンストに至るおそれ
●燃料噴射が停止しエンストに至るおそれ
●エンジンの潤滑が不足して焼き付き、最悪の場合、エンジンが破損するおそれ
私のCX-5は平成28年9月製造のため、もれなくリコール対象です。
最後の「エンジンが破損するおそれ」は”過回転制御が不適切なため、アクセル全開等の際”が正しければ全開走行をすることなどまずないのでリスクは低い。
だが、それ以外の項目はどうなのか。
現時点ではこれらのリスクが顕在化しておらず不具合が発生していなくても、煤の蓄積やオイルの炭化が進むことで、次第に状況が悪化するのでは?
もう一つの疑問はスカイアクティブD1.5のリコールを届け出た際にこれらの問題が予見できたのではないかということです。
巷であれだけ煤が蓄積する、煤の蓄積で新車時の性能が出ないと騒がれたこともあるだけに、徹底した調査とユーザーが安心できるレベルの情報を公開して欲しい。
国産最高のディーゼルエンジン
とはいえ、現状国内でスカイアクティブD2.2に勝る性能とフィーリングを持つディーゼルエンジンはありません。胸のすく加速に、手荒く扱ってもリッター13kmを下回らない実用燃費。
今回のリコールはどこまで影響があるのか。煤の蓄積でパワーダウンするというウワサとの関係は。
状況確認も含め早めにディーラーへ持ち込み、正確な情報を得たいと思います。
↓その後の対応はこちら↓
煤の蓄積に関して、DSC施工後のレビューブログを書きました。あくまで一つの煤蓄積事例として、ご査収ください。
新車の性能が復活!CX-5 スカイアクティブD2.2の煤蓄積とミナト自動車のDSCを施工したオーナーレビュー(感想・効果)