乗出し469万円、フォルクスワーゲン新型ティグアンTSIハイライン試乗レビュー|蕎麦が好き

乗出し469万円、フォルクスワーゲン新型ティグアンTSIハイライン試乗レビュー

先日トヨタのコンパクトSUV・C-HRを試乗した際、話の流れでフォルクスワーゲン新型ティグアンTSIハイラインにも試乗できましたので実際に乗った感想をまとめておきます。

車に夢中で写真撮るのを忘れたのが唯一の心残り。

新型ティグアン、いい車でした。


ティグアンのスペック


先ずはスペックと所感。

全長はCX-5よりも5cm短いものの乗った感じはほぼ同じ。
全幅1,840mmに至っては全く同じで違和感なく乗れました。

CX-5に1年半乗った経験上、走り、室内スペース、取り回し含めこれくらいのサイズがベストということは理解してましたが、ティグアンのサイズ感もそれを裏切らない丁度よさ。これ以上大きいと持て余し小さいと不満が出るのでティグアンのサイズ感はいい塩梅です。

最小回転半径も5.4mと取り回しも良く女性が運転しても問題ないでしょう。

全長 4,500mm
全幅 1,840mm
全高 1,675mm
ホイールベース 2,675mm
トレッド前/後 1,585/1,575mm
最低地上高[空車時] 180mm
車両重量 1,540kg
最小回転半径 5.4m




ティグアンのエンジン


エンジンは1.4Lターボ。

大人4名乗車で市街地を試乗した感想は、流れをリードするような走りをしても2,000rpmも回せばこと足ります。

ノイズは良く抑えられておりスポーツモードで引っ張るようなことをしない限りとても静か。

先代から10PS出力ダウンしていますが、その分実用域のトルクが増しており普通に走る限り不満はまずありません。

CX-5のディーゼル(スカイアクティブD、175PS 42.8kgm / 2,000rpm)に比べると当然パンチはありませんが、時速80km以下は問題なし。これなら1.4ターボでもいいか・・・と思わなくもないですが、高速の合流や登坂で80kmから120kmに加速するシーンで余裕があるかどうか気になる所。それから、軽油からハイオクガソリンになることでリッター辺り30円程度高くなるのも辛い。

エンジン 直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ(4バルブ)
内径 x 行程 74.5 x 80.0mm
総排気量1,394cc
最高出力 150PS / 5,000‐6,000rpm
最大トルク 25.5kgm / 1,500‐3,500rpm
燃料タンク容量 60L
使用燃料 無鉛プレミアム
燃料消費率 JC08モード 16.3km/L

ティグアンのエクステリア


パサートに通じるワイド感があり端正なフロントマスクは好印象。デザインだけなら新型のCX-5より断然こちらです。BMW X1よりもいい。クラスが違いますがメルセデスGLC(650万円~)と比べたら、、GLCの方がいいかな。レクサスのSUVはあの顔が受け付けないので比較対象外、発売から時間が経過し少し古くなってきたハリアー、エクストレイル、フォレスターあたりと比べても断然いいです。

スクエアな分、同じサイズのCX-5より大きく感じたのと、車に興味が無い人が見た時の「良い車」感が2ランク上に感じました。ティグアンオーナーは余裕がありそうに見えます。

ティグアンのインテリア


ルームミラーの質感はiPhoneのようで感動もの。チリ合わせの制度もドイツ車らしい仕上がりです。

一方でインパネはプラスチックパーツが多く価格を考えるともう一つ頑張ってほしいところ。外から眺めて「おお、カッコいい!」乗ってみて「なんだ、フツーじゃん。」となります。

ティグアンの室内スペース


CX-5と全く同じ横幅、全長はティグアンの方が5cm短いにも関わらず、後席の居住空間は圧倒的にティグアンの方が広いです。

スクウェアなボディ形状で頭上空間も広々しており、後席は前席に175cmの男性が標準的なシート位置に合わせた状態で足が組めるほどのレッグスペース。それでいてラゲッジ容量は大差なありません。

デザイン優先のCX-5がダブルスコアで負けた数少ない項目。閉鎖感のあるCX-5とは雲泥の差でした。

ティグアンの走行性能


エンジンのところで書いてしまいましたが、市街地では全く問題ないものの高速の合流や登坂は試乗で確認する必要あり。
今のところ本国の2.0エンジンが入ってくる予定は無いそうです(当然、ディーゼルの導入予定も未定)

ティグアンの乗り心地


235/55 18インチのコンチネンタルを履くティグアン・ハイラインですが、18インチとは思えない乗り心地で、段差を乗り越えた時に伝わるキャビンの揺れの小ささは新型CX-5やBMW X1を確実に凌駕しています。

先代比7%アップしたボディ剛性も不快な振動とは無縁の堅牢さで道の悪い国道2号で大型トラックの横を走っても静寂が保たれたまま。直進安定性も高くハンドルに手を添えておけば真っすぐ走るので眠たくなりました。

ティグアンの静粛性


新型CX-5やトヨタC-HRと比べ1ランクから2ランク静かです。
路面の状態が悪いほど違いが顕著になり、ロードノイズの抑え方は見事でした。
室内は広く静か。家族でお出かけするのにこれ以上の車はありません。

ティグアンの価格


ティグアンTSI Comfortline
¥3,600,000

ティグアンTSI Highline
¥4,332,000

ティグアンTSI R-Line
¥4,632,000

ティグアンは同じ装備のグレード同士で比較するとマツダCX-5からざっくり100万~150万円高くなります。

テレビCMの「フォルクスワーゲン・ティグアンは360万円から」に偽りはないものの、360万円のコンフォートラインはヘッドライトがハロゲン仕様、スマートキー無し、17インチタイヤ、セーフティーパッケージ無しと、430万円のハイラインと少なからぬ違いがあります。

CX-5は安全装備が充実しており、アダプティブ・LED・ヘッドライトやG-ベクタリング コントロール、アクティブ・ドライビング・ディスプレイも標準であることを考えると、CX-5の割安感が光ります。

同クラスのSUVではトヨタ・ハリアー(ハイブリッド)も同じような価格帯。ハリアー・ハイブリッドはシステム出力197PS、JC08モード 21km/Lのエンジンによる(ドライバーの意図しないところで勝手にエンジンが始動し回生ブレーキで減速する点も含め)未来的な走りという魅力もありますが、乗り出し価格ではガチンコ勝負。

ハリアーとティグアン、どちらか選べと言われたら断然ティグアンが良いと思います。


まとめに入ります。

ティグアンのここがどうも・・


●ティグアンは360万円から~のCM

360万円のコンフォートラインにナビやらなんやらを付けるとあっという間に乗り出し470万。

BMW X1のディーゼルが440万~であるのに対しティグアンの1.4ターボは割高に感じる。

●パーキングアシストがウザい

リバースギアと連動するパーキングアシストが「ピーピー、ピーピー」ウザすぎる。
左右に車が止まっている駐車場に入れる時は鳴りっぱなし。
オフにする機能が欲しい。

●噂が気になる

自動車情報サイトを見ると3列シート車の設定や2リッターエンジンの導入の噂がチラホラ。

●お金かかりそう(なイメージ)

タイヤがさりげなくコンチネンタルや燃料が(1.4リッターのクセに)ハイオク仕様だったりと、無理して乗ると痛い目に合いそう。

●走りがあまり楽しくない

新型CX-5は楽しめるほど乗れてないので分かりませんが旧型CX-5と比較しても走る楽しさはCX-5の方が上。

ティグアンを買ったら物としては満足度が高いものの、運転が淡々となりそう。

●ディーゼルゲートのイメージ

「排ガス大丈夫?」

口の悪い友人に後ろ指刺されそう。。

ティグアンのここがマル!


●イイ物感

国産SUVとは比較にならない良い物感。
同じお金を払うならハリアー・ハイブリッドより断然ティグアンでしょう。
メルセデスやBMWと違い品の良さもある。

●走りの質感

ロードノイズ、風邪きり音、エンジン音が静か。直進安定性も高く疲れない。
同時に試乗したC-HRがかすむ出来栄え。

●エクステリアのデザイン

文句なしにカッコいい!

●広い広い室内

ミコンパクトなのに大人5人しっかり乗れる。
足元空間だけでなく頭上も広々、ピラーも工夫されており見晴らしも良い。

●ディーラー

雰囲気が良い。建物がキレイ。この辺は国産だとレクサスくらいしかない。
客層もブレザーにメガネの上品な人が多い(ような気がした)

どうでもいいところではお茶請けに出された饅頭がおいしかった。
参考までにトヨタのお茶請けはセブンイレブンのスィーツ、マツダはクッキー。
おいしい饅頭がいい。

●セールス

ガツガツしてないところが良い。

フォルクスワーゲンのセールスは控えめながらも要所は締められ、終始スマートな対応が好印象。

クルマが良ければ次の機会が必ずあり、これくらいが好み。

■ティグアンを買うか?

(今すぐは)買えん。

予想通り車の出来は良く、次の車の候補になりました。

ティグアンは試乗して確認する価値がある車です。

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