先日の定期点検でDPF(ディーゼルの煤を燃やす処理)再生間隔が平均230kmだった件について、今後DPF再生間隔が短くなった場合にどれくらい燃費に影響するか計算してみました。
現在の実燃費
最初に現在の実燃費について。
まず、2015年式KE型CX-5のカタログ燃費(JC08モード)は18.4km/Lです。
※JC08モードとは、1リットルの燃料で何キロメートル走行できるかを、いくつかの自動車の走行パターンから測定する燃費測定方法の一つ。
JC08モードの燃費計測にDPF再生が考慮されているかについては正確な情報がありませんが、試験完了までの平均速度は24.4kmになるように走らなくてはならない、走行距離は8,172mで試験を完了するなど、ハイブリッド車に有利な基準であることは皆さんご存知の通り。
カタログ燃費に対し納車から2年半31,000km走行したスカイアクティブDの実燃費は、私の住む広島市内の街乗りで12km/L、郊外・高速で18km/Lといったところです。もちろん渋滞にハマればこれより悪化しますし、高速を90kmで粛々と走れば20km/Lを超えることもあり。平均230kmに1回発生するDPF再生中の燃費は5~7km/L。時間にして10分前後、一般道を走っている場合、10km前後で終了します。
市内/郊外/高速/渋滞/DPF再生諸々を含めた燃費として、私は1ヶ月あたり平均して1,200km走りますが、月初に平均燃費系をリセットし、月末に確認すると概ね14km/L前後を示しています。
一般的に実燃費は全車平均でJC08モード燃費より2割程度低下すると言われていますが、CX-5スカイアクティブD2.2も概ねその通りの燃費実績です。
DPF発生間隔と燃費への影響
DPF発生間隔と燃費への影響について、ここでは分かり易く1,000km走るのに必要な燃料で考えたいと思います。
また、その他の項目も計算を簡単にするため、以下の前提で計算します。
【前提】
通常燃費(DPFが再生してないとき):14km/L
DPF再生中の燃費:5km/L
DPF再生間隔:250km
DPF再生が終わるまでの走行距離:10km
上記前提で1,000km走るのに必要な燃料を計算すると、
・1,000km走行に4回DPF再生が発生
・通常走行:960km走行し68.6Lの燃料を消費
・DPF再生走行:40km走行し8Lの燃料を消費
より、
走行距離1,000km / 燃料76.7L = 燃費13.1km/L
となります。
DPF再生間隔が150kmまで悪化した場合
次に、1,000kmあたりの燃費をDPF再生間隔が正常値の下限値である平均150km、その他の条件は上記の前提と同じ値で計算すると、
・1,000km走行に6.7回DPF再生が発生
・通常走行:933km走行し66.6Lの燃料を消費
・DPF再生走行:67km走行し13.3Lの燃料を消費
より、
走行距離1,000km / 燃料79.9L = 燃費12.5km/L
DPF再生間隔が本来の距離の60%まで悪化した場合、燃費は5%悪化する結果となりました。
ただ、このような状況では「通常燃費:14km/L」も悪化すると思われ、実際の燃費はさらに悪くなると考えられます。
DPF再生間隔が75kmまで悪化した場合
更に極端な例として、1,000kmあたりの燃費をDPF再生間隔平均75kmで計算してみました。
・1,000km走行に13.3回DPF再生が発生
・通常走行:867km走行し61.9Lの燃料を消費
・DPF再生走行:67km走行し26.7Lの燃料を消費
より、
走行距離1,000km / 燃料88.6L = 燃費11.3km/
DPF再生間隔が本来の距離の30%まで悪化した場合、燃費は14%悪化する結果となりました。
まとめ
最後にまとめです。
【前提】
走行距離:1,000km
通常燃費:14km/L
DPF再生中の燃費:5km/L
DPF再生が終わるまでの走行距離:10km
【DPF再生間隔と燃費】
DPF再生間隔250kmの場合、燃費13.1km/L
DPF再生間隔150kmの場合、燃費12.5km/L
DPF再生間隔75kmの場合、燃費11.3km/
月当たりの走行距離が1,000km程度の場合、仮にDPF再生間隔が平均150kmまで悪化したとしても、(通常時の燃費が落ちなければ)月当たりの軽油代への影響は大したことなさそうでした。