CX-5ブログです。
シンセイのハブ一体型ワイドトレットスペーサー(20mm)、通称ワイトレを取り付けました。CX-5 純正17インチホイールに今回はリアのみの取付です。
この記事ではワイトレって何ぞや?という方向けに簡単な解説を交えながら、ワイトレの取り付け方と、左右それぞれ20mmのワイドトレッド化による見た目と走りの変化をレポしたいと思います。
※写真はワイトレ取り付け後
ワイドトレットスペーサーとは
最初にワイドトレッドスペーサーについて簡単に説明します。
ワイドトレッドスペーサー、通称ワイトレは車両とホイールの取り付け面に挟むことでタイヤを外側に出すパーツです。単にはさみ込むだけの物をスペーサー、ハブボルトで取り付ける物をワイドトレットスペーサーと言います。
タイヤを外側に出すことで見た目が良くなり、走行安定性や乗り心地が良くなる効果があります。
リスクと注意事項
ホイールを交換しなくても手軽にタイヤを外側に出せるワイドトレットスペーサーは幾つか注意点があります。また、粗悪品の場合はハブボルトが折れ、最悪の場合脱輪したり、高速走行時にハンドルのブレなどが生じるリスクがあります。
ワイドトレットスペーサーの取り付け方にも注意点があり、正しくセンターが出るようにボルトを対角線上に占めること、ボルトが緩んだり、強く締めすぎてボルトが伸びないよう、トルクレンチによる正確な締め付けトルク管理が必要です。
賛否両論あるワイトレですが、競技でも使われる通り高品質な物を正しく取付れば全く問題なし。粗悪品をトルク管理もせず取り付けるのは論外ですが、タイヤの摩耗や空気圧の管理に無頓着なドライバーの方が危険だと思います。
シンセイのワイドトレットスペーサー
今回CX-5に取り付けるのは株式会社シンセイのワイドトレットスペーサーです。シンセイはアルミダイカスト用金型製作メーカーで、長年ワイドトレットスペーサーを製造、販売し続け、信頼と実績のあるメーカーです。
以下、シンセイのWebサイトやAmazonからシンセイのワイドトレットスペーサーの説明を抜粋します。
・日本製ハブ一体型 ワイドトレッドスペーサー ミツビシ・マツダ PCD114.3-5H 内外ハブ67Φ BP1.5 20mm
・外径145Φ・内径67Φ(車体ハブに密着)、外ハブ67Φ(純正ホイールに密着)、内外共にジャストサイズで装着制度は抜群!
・素人装着でもセンター出し安心、走行時のステアリングのブレやボルトへのストレスを軽減し、安全・安定性を生み出します。
・素材は独自の高強度アルミニウム合金(社外秘)でバネ下重量を驚異の軽減化。
・スクイズキャスト法(高級車の足回り部品に多く使われる製造法)を採用し、さらに独自の高圧成型で無垢でも内部の巣が殆ど出ない製造です。
・JISで定義されるアルミ合金の熱処理法・T6溶体化処理も行い、更なる独自の熱処理を施していますので、他には類を見ない高強度の商品です。
・本品は国内のメーカーによる高性能・高精度の商品で、定期的に国内工業試験場において強度テスト重ねる信頼の逸品です。
・MADE IN JAPAN だからこその強度・精密度を実感下さいませ。
リアのみに取り付けた理由
今回CX-5にワイドトレットスペーサーを取り付けたのはリアのみです。
リアのみ取り付けた理由は以下の2つ。
●走行性能の変化を体感できるか確認したかったから
ワイドトレット化の効果について諸説ありますが、一般的にフロントタイヤのトレッドを広げると、ハンドリンクが良くなるが直進安定性が低下すると言われます。その逆に、リアタイヤのトレッドを広げると、直進安定性が良くなるがアンダーステアになるなど、旋回性が低下すると言われています。
果たして、シロウトに左右合計40mmのワイドトレット化による走行性能の変化を体感することは出来るのか?
これを確認したく、まずは前後どちらかに付けることにしました。
●フロントに比べリアの方がタイヤの引っ込みが大きく、タイヤを外側に出すことの見た目への改善効果が大きいから
CX-5 純正17インチホイールは斜め後方から見た時のリアタイヤの引っ込み具合や貧弱さは一目瞭然。
フロントタイヤに比べリアの方が見た目の改善効果が高いため、リアタイヤから取り付けることにしました。
※フロントはGW明けか、8月の車検を受けてから取付予定
ワイドトレットスペーサーの取り付け方
ワイドトレットスペーサーの取り付け方についてはカーショップなどの専門家にお願いするか、専門的なサイトを参考にしてください。ここではあくまでシロウトのDIY日記として、要点だけ記載します。
●平坦なところに車をとめる
傾斜のあるところでジャッキアップすると、ジャッキが外れたりと大変危険です。
●サイドブレーキを引く
ジャッキアップ中に車が動かないようにサイドブレーキを引きます。
●車止めをする
車が動かないように車止めをします。今回はその辺に転がっていた石で代用しました。
●ホイールナットを緩める
ジャッキアップ前にホイールのナットを少し緩めます。
●ジャッキアップする
フロアジャッキ等を使ってジャッキアップします。なお、これまで車載ジャッキを使っていましたが、アレはあくまで緊急時のタイヤ交換用途のジャッキなので、この度エマーソンのフロアジャッキを購入しました(3トン用)至極快適です。
●ジャッキアップした車を固定する
本来であればウマを使うべきですが、今回は割愛しました。フロアジャッキ初使用のため、念のためにタイヤを噛ませましたが、次回からはこれも割愛予定です。参考にしないでください。
●ホイールを外す
よっこらしょ、とタイヤを外します。
なお、CX-5 純正17インチタイヤのボルトの逃げはこんな感じです。シンセイ 20mmのワイドトレットスペーサーの取り付けに関しては無論、全く問題ありませんでした。
●取付面の錆びや汚れを落とす
ワイドトレットスペーサーが密着するよう、錆びや汚れを落とします。
●ワイドトレットスペーサーを取り付ける
ワイドトレットスペーサーを取り付け、ナットを締めます。
シンセイのワイドトレットスペーサーのボルトはM12の1.5P、締め付けトルクは10~12kgf・mです。
スペーサーのセンターが出るよう、まずは手締めでナットを取り付け。トルクレンチを使い、8キロ、10キロと写真の1~5のナット順に繰り返す形で増し締めし、最後は規定トルク(12キロ)で締め付けました。
●ホイールを付ける
ホイールを取り付け、ジャッキダウン出来るように車載レンチで5kgf・m程度のトルクで締め付けます。
シンセイのワイドトレットスペーサーはメーカー毎の専用設計、ハブリング一体型で純正ホイールのフィッティングは抜群。社外ホイールの場合、マツダ用なら67Φ ⇒ 73Φのアフターリングを付けることでハブリング付と同様の効果を得られます。
●ジャッキダウンする
フロアジャッキの油圧バルブを緩め、ジャッキダウンします。
●ホイールナットを締める
CX-5のホイール締め付けトルクは12~14kgf・mです。
ジャッキダウン後、ワイドトレッドスペーサーのナットと同様の順番で規定通りのトルク(14キロ)で締め付けました。
その他、スタッドボルトへのグリスは塗りませんでした。異論は認めます。取付時間は写真を撮ったりノンビリ作業したこともあり、1輪あたり25分掛かりました。KE CX-5 FFモデルの場合、サイドブレーキを引いておけばジャッキアップした状態でナットを締めても車軸が回ることはありませんでした。
取付ビフォーアフター
20mmのワイドトレッドスペーサーの取り付け前後のビフォーアフター、まずはビフォーからです。
取り付け前はご覧のように結構引っ込んでいます。17インチとホイールが貧弱なこともあり、お世辞にも見た目が良いとは言えません。
20mmのワイドトレットスペーサー取り付け後です。
写真でははみ出しているように見えるものもありますが、撮り方が悪いだけで実際はほぼツライチです。
リアビューから。
タイヤが張り出したことで安定感が出ました。
フロントビューから見ても安定感が増しているのが(分かる人には)分かると思います。
見た目に関しては20mmで完全に満足。25mmだとハミタイになるかも知れません。
面揃えるならホイール買うべきという向きも多いと思いますが、予算が厳しい人や純正ホイールのデザインが気に入っている人はワイドトレットスペーサーを候補に入れても良いのではないでしょうか。
ワイトレ取付による走りの違いは?
最後にCX-5のリアに20mmのワイドトレットスペーサーを取り付けて分かった走りの変化を書いておきます。
●ブレなどは一切なし
市街地、バイパスはもちろん、短い距離でしたが高速道路を100km前後で走ってハンドルのブレなどは全くありませんでした。
●アンダーステアは体感できず
リアのトレッドが40mm拡大したことによるハンドリングの変化について、町中から高速道路まで普通に乗る限りアンダーステアの増加などの変化はありませんでした。
●直進安定性の向上も体感できず
若干、本の若干良くなったような気もしますが、明確に体験できるほどの違いはありませんでした。
これらについてはワインディングをハイペースで走る等、もう少しスピード域が高ければ違いが分かるのかも知れませんが、普通のドライバーが普通に公道を走る状況において左右40mmのトレッド拡大は、ほとんど影響無いと言って問題無いと思います。
●乗り心地が若干良くなった
ワイドトレッドスペーサーを装着しトレッドが広がったことで、サスペンションは小さな力で大きく動くようになりました。サスペンションの動きが良くなったことで、取付前に比べ大きな突き上げを伴う段差を乗り越えた際のアタリは従来以上に大きな動きで吸収されるようになり、若干乗り心地が良くなりました。
●タイヤのバタ付きが減った
シンセイのハブ一体型ワイドトレットスペーサー(20mm)は1つ807グラムの重量があり、これが良い意味でタイヤに重さが加わり、タイヤのバタ付きが減少しました。
違いは路面の荒れたコーナーをややハイスピードで走る時に顕著で、タイヤのバタ付きが減り、路面への追従性が良くなったことで旋回中の安定性が高くなったと感じています。
まとめ
シンセイのワイドトレットスペーサー(20mm)と、CX-5 純正17インチタイヤの相性は良好で見た目の変化も大満足。見た目的にはリアのみの取り付けでも満足度は高いと思います。
トレッド拡大による走りの変化は(私のスキルでは)体感できるほど変わらず。レバー比が高くなったことや、良い意味で重さが加わり、乗り心地の改善やタイヤのバタ付きの現象はハッキリ違いの分かるレベルで退官することが出来ました。
フロントの取り付けはGW明けか車検を受けてからの予定ですので、それまではハンドリングや走行安定性の変化をじっくり観察予定。ワイトレ付けるなら、ハブリング一体型がオススメです!