こんにちは、ハマジです。
いきなり物騒な写真で失礼しております。
こちらは先日アカニシ、通称ニシの刺身を作った時の一コマ。捨てる予定のソケットレンチでニシの貝殻をカチ割り、やっとこさの思いで貝の身をほじくり出したところであります。
ところでこのニシ、、
ヌメリや臭いが酷く回転寿司ではサザエと称して島流しもとい、皿流しの憂き目に合うなど、マイナーかつぞんざいな扱いをされているのも事実。
今回はそんなニシについて、その生態や家庭で美味しく食べるマメ知識をご紹介したいと思います!
※かち割る前のニシ。貝殻の内側が赤いからアカニシです
ニシ(アカニシ)とは
アカニシ貝は、正確には動物門軟体動物門腹足綱前鰓亜綱新生腹足上目新腹足目アッキガイ上科アッキガイ科チリメンボラ亜科チリメンボラ属に分類されるRapana venosa(学名)という貝です。
(なんのこっちゃですね)
通称ニシ貝などと呼ばれるアカニシは茶色い貝殻に貝殻の内部が赤いのが特徴的な貝で、アサリや牡蠣などの二枚貝を食べる肉食性の貝です。内湾を中心に比較的浅い海に生息する中型~やや大型の巻貝で、北海道南部から、南は瀬戸内海から九州、台湾、中国にかけて広く生息しています。
ニシ(アカニシ)の旬
ニシの旬の時期は、春(3月~5月頃)です。
他の貝と同様にニシの旬は産卵時期と関係しており、ニシは通常5月~8月頃に産卵するため、産卵前の栄養を蓄えた季節が美味しいとされています。
ニシ(アカニシ)の相場
ニシは広く生息し水揚げも多いため、サザエなどに比べ安価な貝です。
スーパーなどでは中型の物で1個100円~300円程度で販売されています。
新鮮なニシ(アカニシ)の見分け方
サザエなどと同様に、貝に触った時に動くもの(生きている貝)を選びましょう。
ニシ(アカニシ)の毒?
ニシなど、巻貝の中にはテトラミンという毒を持つ貝があります。
このテトラミンという毒は唾液腺と呼ばれる部分に含まれており、唾液腺を除去しないで食べると、食後30~60分ほどで 視力低下、めまい、物が二重に見えるなど、お酒に酔った時のような中毒症状が現れます。
唾液腺は貝内部の白くスポンジ状の柔らかい部分(ごめんなさい、写真は忘れました)
テトラミンは熱に強いため、つぼ焼きや煮付けなどで丸ごと食べるときは、唾液腺を食べないように注意しましょう。
テトラミンに当たるとどうなる?
余談ですが、私はテトラミンに当たったことがあります((+_+))
原因はつぶ貝の煮付けを唾液腺を除去せずに大量に食べたことで、めまい、頭痛と強烈な吐き気に襲われました(数は10個くらい)
幸い、一晩寝ることで回復しましたが、巻貝を食べるときは唾液腺に注意してください。
ニシ(アカニシ)の栄養分
ニシにはビタミンB12や銅が豊富に含まれています。
ニシ(アカニシ)のさばき方
ニシを刺身で食べる場合に問題になるのがさばき方。
ボイルしてから刺身で食べる方法もありますが、生で刺身にする場合は貝殻を割って身を取り出す必要があります。
ニシの殻は硬いため、金づちなどの硬い物で叩いて殻を割りましょう。
臭いとヌメリが強烈!
ニシを自分でさばくときに問題になるのが、臭いとヌメリ。
生のニシは臭いとヌメリが強烈なため、家庭で調理する際は換気扇を最強にして鼻の穴にティッシュを詰めるなど、心して取り掛かる必要があります( `ー´)ノ
※貝殻から取り出した直後のニシ。強烈に臭いのでカメラを触る気にならず、この後の写真はありません
臭いとヌメリの取り方
ニシの生の刺身を作る時は、貝殻から取り出した貝の身を塩で揉んでヌメリを取ります。
塩で揉むと上履きの内側を洗ったときのようなドス黒い汁と泡がでますが、これが強烈にクサい。
(臭いは生ごみとドブの臭いを足して3日寝かせて5倍した臭いを想像してください)
臭いとヌメリが無くなるまで、最低でも3回くらいは塩で揉んで汚れやヌメリを取り除き、流水で洗い流す作業を繰り返してください。
なお、いくら塩もみをしても臭いが取れない場合は、貝自体が傷んでいる可能性があります。
触って動かないもの、ドリップが出ている個体は避けるようにしましょう。
ボイルすると臭いとヌメリが簡単にとれる
そんなクサい貝、食べられない!と思われた方に朗報です。
ニシの臭いとヌメリは、ボイルすることで簡単に取り除くことが出来ます。
回転寿司で流れてくるニシ(稀にサザエとして並んでいますね)はボイルしたもので、ニシはボイルして刺身や酢味噌で食べても大変美味しくいただけます。
美味しいニシ(アカニシ)の食べ方
さばくのが大変、臭いとヌメリが酷いという一癖も二癖もあるニシですが、私おすすめの美味しい食べ方は、やはり生の刺身です。
作り方は前述の通り、頑張って貝殻から身を取り出し、根性で臭いとヌメリを取ります。後は、唾液腺の他、気持ち悪い部分を取り除いたら、薄くカットするだけ。
生で食べるニシの刺身は甘みと旨みが強く、サザエよりも美味しいという人もいます。
マイナーで調理が大変なニシですが、ホントは大変美味しい貝なので、スーパーで見かけたら是非チャレンジしてみてくださいね。