私は元魚屋ということもありスーパーの食品売り場を見て回るのが好きです。
元魚屋は食品売り場を見るのが好き
買い物をするのはもちろん、特に買う物が無くても質の良い商品やお買い得品、珍しい商品を見つけるとテンションが上がります。このお正月休みもいくつかのお店へ買い出しに行きましたが、年末年始は1年間で最も品揃えが良くなることもあり、見るだけでも楽しくなりました。
食品売り場よりも楽しい場所
そんな私が一番見て楽しいと感じるのは、実は食品ではありません。帰省したと思われる家族連れが楽しそうに豪華なお肉や寿司、オードブルなどを買い物している姿です。
例えば先日も大きなカートを山盛りにしたご婦人が、
「こういう時は余るくらいがいいのよ。」
「みんな集まるのだから、余らせないといけないの。ほら、あのお寿司も買って!」
と言っては特大のお寿司をカートに追加する場面を目撃しましたが、それを見て私は「これこれ、これだよ、年末の買い物は!」と思わずうなずいてしまいました。
(その横で大学生と思われる兄弟が「こんなに買って誰が食べるんだよ。絶対に食べきれんぞ。お前食えよ」「いや、俺は食べれないよ。兄ちゃん食べてよ。」という苦悶の表情でカートを押している姿も面白かった)
元魚屋の立場としても食材や寿司刺身、お惣菜の買い物風景を見るのは楽しい体験です。また、その食材を囲んでいる場面を想像するのも作り手の立場としてもっとも幸せを感じる瞬間でもあります。
余らせないといけない
そういう意味でも、このご婦人の「余らせないといけない」の気持ちは良く分かります。田舎に帰るとすき焼きと寿司がいっぺんに出てきて、お腹いっぱいなのに「若いんだから、食べろ食べろ」と言われお腹がはちきれそうになるアレです。
食べている時は苦しくて仕方ないのに、満腹感が収まるにつれ後から何とも言えない満足感や幸福感を得ることができます。そして、その苦しくも美味しい体験は、田舎の思い出として何年経っても記憶に残るのです。なのでこういう時は「足りないくらいが丁度いい」ではなく、「余らせないといけない」のです。
今年も年末年始の買い物中に良い体験ができました。
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