今回は雪道走行時におけるAWD(i-ACTIV AWD)の後輪エンジンブレーキの効果について解説したいと思います。
マツダのi-ACTIV AWD
まずはおさらい。
マツダのAWDは前後輪のトルク配分を自動制御。
ドライバーが気付かないレベルのタイヤのスリップや路面状況などをリアルタイムにモニターし、前後輪のエンジントルク配分を2WD(FF)相当から直結4WD状態まで積極的にコントロールします。
AWDのメリットは登り坂だけではない
AWDと聞けば上り坂など走る場面での安定化効果をイメージされる方が多いと思いますが、実は下り坂などの減速シーンも非常に安定化するのです。
理由はAWDによる後輪のエンジンブレーキ。
例として雨の日に自転車に乗って前輪だけブレーキを掛けるシーンをイメージしてください。
怖いですよね?
FFや通常の電子制御四駆の場合はスリップした時だけ後輪にトルクを配分するため、エンブレは前輪しか掛かりません。
乱暴に言うとチャリンコの前輪ブレーキと同じです。
マツダのAWDはセンサーで滑る前に状況を判断し、状況に応じてフレキシブルに後輪に駆動力やエンジンブレーキを掛けます。
結果、電子制御ながらスバルなどの本格的なフルタイム4WDとそん色ない安定性を実現しています。
(先日雪道でフォレスターの後ろをハイペースで走った時はやはりスバルの安定感は流石だなと思いました)
実際にCX-8 AWDで下り坂を走った感想
実際に私がCX-8 AWDで雪道を走った時はその安定感の高さに驚きました。
前車FFのCX-5と比較すると登り坂に強いのは予想通りでしたが、下り坂でここまで安定するとは思いませんでした。
滑りやすい坂道を下る時、大袈裟に言うとFFが雨の日に自転車で前輪ブレーキだけでそろそろと走るような形としたら、AWDは前後にバランスよくブレーキが作用し見えない手で滑らないよう後ろを押さえてもらっているような安心感さえあります。
疲れ難いメリットも
また、安定するだけでなく疲れない。
制動力がフットブレーキではなくエンジンブレーキとして作用するためブレーキを踏む頻度が激減し運転して疲れないのです。長距離ドライブの機会が多い方は疲労の面でもAWDがおすすめです。
ATも優秀である
エンブレが弱いとされるディーゼルですが、余程の急勾配でなければ基本AT任せで大丈夫です。マツダのATはシフトダウン時にエンジン回転数を合わせるようブリッピングするためトルク変動が少ないのもGood
FFの場合は下り坂のカーブなどでトルクが変動すると挙動が乱れヒヤッとすることもありましたが、AWDのCX-8は車の動きが乱れず、雪道においても思い通りに運転することができます。
というわけで今回はAWDの下り坂の安定感をご紹介させていただきました。
AWDの走行性能は必要ないという方も下り坂で安定するなどAWDのメリットを思い出していただければうれしいです!