今回は先日試乗したMAZDA3について、(基本的には非常に満足度が高い車ですが)個人的に気になったところをご紹介したいと思います。
1)後部座席の居住性がチョット…
私がMAZDA3に試乗して一番気になったのは後部座席の狭さです。
175センチの私が運転席にポジションを合わせた状態でリアシートに乗ると後部座席の足元スペースはこぶし半分。
頭の上のスペースはこぶし一つと少し余裕がありますがCピラーが太く閉塞感も気になります。男性がリアシートに乗る頻度を考えると評価は分かれるかも知れませんが月に数回でもリアシートに大人が乗るなら個人的にはちょっと選び難い居住性です。
デザイナー曰く、居住性を重視する向きはSUVを選ぶ傾向があるためデザイン重視で割り切ったという話を聞いたことがありますが、もし私がアウトドアをしない人でしたら走りの楽しさから積極的にMAZDA3を選びたく。
そうなった時に後席の狭さを理由に候補外となるのは他の出来が良いだけに勿体ない。
同世代の方におすすめする上でも後部座席の居住性はネックになっており、このスペースではチャイルドシートやジュニアシートを付けた時も運転席の後ろに子どもの足が当たってしまうかも知れません。
参考までにMAZDA3のサイズは次の通りです。
MAZDA3ファストバック
全長4,460mm、全横1,795mm、全高1,440mm
MAZDA3セダン
全長4,660mm、全横1,795mm、全高1,455mm
セダンの全長4,660mmはコンパクトとは言えないサイズですが、後席の足元は必要最低限にとどまっています。
競合になることもあるゴルフ、Aクラス、カローラスポーツなどに比べてもリアシートが狭いことは否めません。
SUVが不要な方、あるいはSUVを降りる方でセダンを選ぶニーズもあると思いますが大人3人以上が快適に乗れる車がアテンザ(mazda6)かSUVしかないのはラインナップとして寂しく感じます。
なお、巷で言われている後方や斜め後ろの視界についてはブラインドスポットモニター等もあるため全く問題無いと思います。
2)15Sを選ぶと付けられない装備が多い
2つ目はMAZDA3のグレード構成について。
個人的に軽快感のある1.5ガソリンに魅力を感じていますが、問題はその構成。
※高速道路や多人数乗車される方は2リッターガソリンやディーゼルが良いと思います
15Sや15S touringはオプションでも次のような装備を付けることができないのです。
・アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)
・デイタイム・ランニング・ライト(DRL)
・クルージング&トラフィック・サポート(CTS)
・交通標識認識システム(TSR)
・自動防眩ルームミラー
・フロントシート 運転席パワーシート
・フロントシート シートヒーター
・ステアリングヒーター
・BOSEサウンドシステム
マツダ曰く、1.5リッターガソリンは初めて車を買うような方に対して価格を抑えて提供するため用意したと言われてますが、車の運転に不慣れな方にこそALHやCTSなどの安全装備を使って貰いたいだけにオプションで選べるようにすべきでは。
また、1.5をマニュアルで楽しみたいという玄人?の方にもこれらの装備を選ぶことができないのは不満が残ると思います。
3)高速道路のレーンキープが無くなった
MAZDA3からは渋滞等で追走だけでなく、レーン維持ステアリング制御までも行ってくれる「クルージング&トラフィック・サポート」が採用されています。
AT車は0~55km/hまで、MT車は30~55km/hまでの速度域でレーンの中央を維持するようステアリング操作を支援します。
CX-5やCX-8等の従来型の運転支援システムライントレースモードは高速道路も利用可能でしたがMAZDA3は55km/h以上になるとレーンキープアシストシステム(車線逸脱回避支援)に留まるように変更されています。
マツダ曰く、従来型ではライントレースモードの利用頻度が少なかったことや安全もドライバーが主役という思想から変更されたそうですが、(長距離ドライブの疲労軽減など)全てのドライバーが常に自分でハンドル操作したいという訳でもないと思いますので、選択式として機能を残して欲しかった。
4)ディーゼルは重さがやや気になる
ここからは大した内容ではないので簡単に。1.8ディーゼルにも試乗しましたが、15Sに比べ鼻先の重さが気になりました。
また、どうせディーゼルを選ぶならもう少しトルクに余裕が欲しいと感じました。
5)2LガソリンはAWDが選べない
マツダ車を購入する場合、予算に余裕があれば例え雪道や悪路を走らなくても
雨の日の走行安定性やGVCの制御などからAWDがおすすめですが、2LガソリンモデルにはAWDの設定がありません。数が出ないからでしょうか、、AWDが欲しい方は他のエンジンを選んでください。
6)BOSEの音質は確かに良いが…
気密性や静粛性を磨き上げたことで音質が良くなったMAZDA3
私もBOSEを視聴して確かに音質は良いと感じましたが、、ある程度音量を上げないと違いが分かり難いかも知れません。
7)助手席から操作し難くなったマツコネ
youtubeのコメントで教えていただいた内容ですが、MAZDA3のマツコネは運転席側に傾向し、タッチパネルの操作が出来なくなったことから助手席側から若干使い難くなっています。
コマンダー上部でタッチ操作が可能ですが、ディスプレイのタッチパネルは無くさなくても良かったのでは。
8)バッテリーの消耗が早い?
MAZDA3はマツコネの起動速度を短縮するためドアの開閉時にマツコネをバックグラウンドで起動させているそうです。
これによってバッテリーの負担が高くなり、バッテリーの寿命が短くなる可能性も…
9)Xのスペックと価格
最後です。
劇的に進化したシャーシやインテリアなどに比べ従来モデルからの流用で今一つ物足りないパワートレーン。
車好きの方にとって本命は秋に登場するスカイアクティブXだと思います。
先に発表された欧州仕様のスペックは開発目標の190PSに対し次の通り。
■マツダ3 SKYACTIV-X(欧州仕様)
シリンダー配列:直列4気筒
排気量:1998cc
内径×行程:83.5 mm×91.2mm
圧縮比:16.3
最高出力:180ps(132kW)/6000rpm
最大トルク:224Nm/3000rpm
給気方式:スーパーチャージャー
カム配置:DOHC
使用燃料:RON95
ベースとなったSKYACTIV-G2.0、SKYACTIV-D1.8との比較。
■圧縮比
SKYACTIV-X:16.3
SKYACTIV-G2.0:13.0
SKYACTIV-D1.8:14.8
■最高出力
SKYACTIV-X:180ps(132kW)/6000rpm
SKYACTIV-G2.0:156ps(115kW)/6000rpm
SKYACTIV-D1.8:116ps(85kW)/4000rpm
■最大トルク
SKYACTIV-X:224Nm/3000rpm
SKYACTIV-G2.0:199Nm/4000rpm
SKYACTIV-D1.8:270Nm/1600-2600rpm
180psの最高出力と22.8kg-mの最大トルク、WLTPサイクルで18.5km/ℓの燃費については特に際立つ内容ではありません。
一方でXの価格は最廉価モデルでもディーゼルLパケ 2WD 291万円より20万円高い314万円。
MAZDA3 スカイアクティブX搭載グレード
■X PROACTIVE
2WD(6EC-AT/6MT) ¥3,140,000
4WD(6EC-AT/6MT) ¥3,372,200
■X PROACTIVE Touring Selection
2WD(6EC-AT/6MT) ¥3,258,800
4WD(6EC-AT/6MT) ¥3,491,000
■X L Package
2WD(6EC-AT/6MT) ¥3,319,000
4WD(6EC-AT/6MT) ¥3,551,200
■X Burgundy Selection
2WD(6EC-AT/6MT) ¥3,389,200
4WD(6EC-AT/6MT) ¥3,621,400
この価格帯になるとメルセデスのAクラスやもうじきフルモデルチェンジするフォルクスワーゲン ゴルフなども候補に入るだけに、よほどの魅力がなければ選び難いグレードですが、、
評価は試乗してからとしたいと思います。
以上、MAZDA3の気になるところでした。