「新型ハリアー ガソリン/ハイブリッド比較!動的質感重視のマツダCX-8オーナーが買うならどっちなのか、ハンコ押す寸前まで真剣に比較してきた」という動画の原稿ブログです。
こんな感じで喋ろうと準備して、結局違うこと言ってたり、途中訳わかんないこと喋ってますが、せっかく書いたのでブログにしておきます。
なお、控えめに言って今回のハリアーはホントに良かったです。Zレザーハイブリッド四駆パノラマルーフ付きの納期が7月ならハンコ押してました。コミコミ530万円ですが、CX-8の下取りが望外に高かったのと、5年後の残価率43%をから、月々2万円(ボーナス無し)で買えてしまいます。現金一括で買っていると下取り分を頭金にぶち込めるので誘惑が大きいですね。
以下、ハリアーのガソリンとハイブリッドに試乗した感想です。動画の原稿なので所々おかしいところがありますが容赦してください。
結論
高級感よりも動的質感重視の私にとって今回のハリアーは良かったです。旧型のハリアーはラグジュアリー指向で私の好みとは違ったので購入候補になりませんでしたが、今回のハリアーはシャーシ性能が高く真剣に欲しい一台です。
というか、今回の試乗で本気の商談まで進んでしまった。それくらい良かったのですが、今オーダーしても年内納車という納期の長さと、ガソリンとハイブリッドそれぞれある部分が気になり、PHVを待った方が良いかも知れないと考え、購入には至りませんでした。
今回はハリアーのガソリンとハイブリッドについて、動的質感を中心に私が気になったポイントをお伝えしたいと思います。
動的質感とは
初めに何を持って良く感じたのかという部分で動的質感とは何ぞやという話をしたいと思います。
動的質感は簡単に言うと走る、曲がる、止まるの性能です。
アクセル踏めば進むし、ブレーキを踏めば止まるじゃんという方もいらっしゃるかも知れませんが、100mを何秒で走れるかとか、100キロから何mで停止できるかという絶対的な性能ではなく、街中でよくある信号待ちスタートから50kmまでの速度域まで如何に気持ちよく走れるか。
どういうことかというと、まず運転ポジションが正しい姿勢で座れるか。
この点ではハリアーは非常にレベルが高いです。
運転姿勢はマツダが非常にこだわっていますが、今回のハリアーも負けているとは全く思わなかったです。
むしろ視界の良さではハリアーの方が優れています。
次にアクセルやブレーキを踏んだ時の剛性感や遊びの適切さ。ふにゃふにゃしたペダルや遊びが大きすぎると気持ち良く運転できません。
信号が青になった時、ペダルを床まで踏みつける人は居ません。これくらい踏んだら常識的な範囲で制限速度前後までスムーズに加速するだろう。無意識にそう考えペダルを踏みます。
アクセル開度にして30%前後。この時に自分の思った通りに加速し狙ったスピードに到達できるか。こんなことを考えながら運転する人はいないですよね。
もし、アクセルを少し踏んだだけなのにぐわっと加速したり、加速感が一定でない場合、走りにこだわりのある人は非常に気持ち悪く感じます。
どういうことかというと、昔のトヨタ車に良くある、非力なエンジンを補うためにアクセルを少し踏んだだけでグワット飛び出すような設定。
自分が思った以上に加速するのでアクセルを緩めなければなりません。
人間の感覚的には足りないものを補っていく方が自然に感じます。
例えばビンの蓋を回しながら開ける時の感覚も力を補う形です。
(どんな便でもとにかく全力でおりゃーって感じで開ける人がいたら近寄らない方が良いと思います)
なので、アクセルを踏んだ時の反応としては自分が思ったよりもごくわずかに少なく反応し、それに対して補う形の方が自然に運転できるという形です。
走るに関してはアクセルを踏んだ時の加速の変化も重要です。
気持ちが良い車はアクセル開度に対してリニアに加速Gが発生しますが、動的質感が低い車、例えば昔のCVTはラバーバンドフィールといってアクセルを開いてもCVTが滑りエンジンの回転数とスピード伸びが一致しない。
また、燃費重視の車やエコーモードなどを使うとアクセルを踏んでも車側が燃料の噴射を絞るため、加速に段付き感があったりして非常に気持ち悪く感じます。
また、そこでさらにアクセルを踏み足すと今度はスピードが出過ぎてしまいアクセルを緩めるというのも動的質感が低く感じる原因です。
車の性能を評価する時、例え100mを6秒で走れたとしても、今お伝えしたような質感が低ければ動的質感としては低く感じてしまい気持ちよく走れる車とは言えません。
逆にいうと、絶対的なパワーやトルクは低くても、この味付けで日常的な運転の大部分においてSUVのような車においても運転して楽しいと感じるように仕上げることができると考えています。
こんな感じで、曲がる、止まるにおいても私なりの考えがありますが、続きはこの後のハリアーのガソリンとハイブリッドを試乗した感想の中でお伝えしたいと思います。
今回試乗させていただいた車とワシのCX-8
今回試乗させていただいた車と私のCX-8のスペックを簡単に記載します。
ハリアー S 2リッターガソリン FF
車両価格 299万円
全長 4,740mm
全幅 1,855mm
全高 1,660mm
重量 1,530kg
ホイールベース 2,690㎜
最小回転半径 5.5m
排気量 1,986cc
燃料 レギュラー
最高出力 171PS/6600rpm
最大トルク 21.1kgf/4800rpm
ミッション Direct Shift-CVT
タイヤサイズ 225/65R17
ハリアー G2.5ハイブリッド FF
車両価格 400万円
全長 4,740mm
全幅 1,855mm
全高 1,660mm
重量 1,650kg
ホイールベース 2,690㎜
最小回転半径 5.5m
排気量 2,487cc
燃料 レギュラー
システム最高出力 218PS
最大トルク -
ミッション Direct Shift-CVT
タイヤサイズ 225/60R18
マツダCX-8 XD プロアクティブ 2.2ディーゼル AWD
車両価格 406万円
全長 4,900mm
全幅 1,840mm
全高 1,730mm
重量 1,910kg
ホイールベース 2,930㎜
最小回転半径 5.8m
排気量 2,188cc
燃料 軽油
最高出力 190PS/4500rpm
最大トルク 45.9kgf/2000rpm
ミッション 6AT
タイヤサイズ 225/55R19
ハリアーの加速を感性的に評価する
はい、というわけでハリアーの動的質感について、走る。加速の部分をどう感じたかをお伝えしたいですが、私が試乗したのはガソリン、ハイブリッド共にFFになります。
四駆になるとまた印象は違うかも知れませんのでその点だけご留意ください。
全体的には非常に良かったです。
まずガソリンの感想ですが、ハリアーのCVTはダイレクトシフトといって発進用のギアを持っているので、0発進からの加速でCVTが滑ってるような感覚はありません。
CVTに関してはスバルが非常にこだわっており、CVT嫌いの私もスバルなら、、という形ですが、今回久しぶりにトヨタの車を試乗してハリアーのCVTなら個人的には全く問題無かった。スバルよりも良いかも知れません。
ただ、街中でよくある50kmくらいまでの加速においては、感想が違います。
ハリアーはガソリン、ハイブリッド共にシフトレバーの奥の方にエコ、ノーマル、スポーツというモードが選べるようになっていますが、ガソリンの場合はノーマルで走るとアクセル開度を一定にしているような場面で若干燃料を絞られてるような加速の非連続性、雑に言うともたつき感のような雑味があります。
これはちょっと残念に感じました。
私は動的質感重視なのでこれだけで、うーんとなったのですが、それを素早く察知された営業さんがスポーツモードをお試しくださいというので、スポーツに変えると、、アクセルの応答性が良くなり非常に気持ちよく走れました。
若干過剰に感じる部分もありますが、私にはスポーツモードが標準でも良いくらいです。
また、そのように感じるタイプなのでエコモードを使うことは無いと思います。
大きな声では言えませんがハリアーのように500万くらいの車を買うのに、ガソリンケチってストレスに感じては本末転倒だとおもいますので。
試乗中は70kmまでの速度域で山道相当の登坂も走りましたが、大人二人で乗っている限り、力不足は全く感じませんでした。
ガソリンエンジンの音はハリアーという車の性格や世界観のイメージからすると、比較的車内に入ってくる印象です。
本来であればエンジン音やロードノイズはいくつかの路面上パターン別に騒音測定して数値的で評価し、絶対的な音量と周波数的な部分では人間の感じ方的にどうなのかというのをお伝えしたいところですが、素人がやるには機材含めめんどくさすぎるので、やりません。
これはプロのジャーナリストの方に期待したいと思いますが、もし、ジャーナリストの方が「静かですね!」みたいな解説をされている動画をご覧になられたら「何を持って静かと言われているのか定量的・定性的な観点で教えてください」と質問してみてください。
その上で、エンジンの音は比較的車内に入ってくるものの、音質的には安っぽい音ではないのでイヤ感じはありません。
ただ、ハリアーのラグジュアリーなイメージとこのスポーティーな感覚はこれまでのトヨタのイメージとは違うなと感じました。
ガソリンのエンジン音についてはマツダでいうとCX-5やCX-30の2リッターガソリンもエンジン音が比較的入るというか車内に響かせていますが、音質が良いので全く気になりませんし、むしろ一人で運転してるときは積極的に聞きたいとさえ感じます。
ココからガソリンエンジンのネガティブポイントをお伝えします。
ガソリンを選ばれた方には申し訳ないですが、全体的なパワー・トルク感については2リッターなりという印象です。
重量もそれなりにありますので、気持ちよく走ろうとすると3000回転くらいまで回ってしまい、気持ちよく走りながら同乗者と車内で会話するの両立が難しいです。
この問題をどう考えるかは車の使い方になります。
街中メインであれば全く問題無いし、ハイブリッドとの価格差的にもガソリンを選んで良いと思います。ただ、月に数回高速道路を走るとか、キャンプやスキーなどで頻繁に人や荷物を満載して山道を走る、というような方は、ハリアーの性格を考えるとハイブリッドを選んだ方が良いと思います。
そういう意味で私はガソリンは向いておらず次にハイブリッドを試乗したのですが、ハイブリッドはハイブリッドで加速性能や走るに置いての動的質感は非常に良かったものの、、曲がる、止まるの観点で気になるポイントがありました。
ハリアーハイブリッドの感想
ハイブリッドの走るの性能について簡単に感想をお伝えすると、ハイブリッドのモーターで発進し途中でエンジンが掛かることのトルク変動やエンジンの音などは個人的には全く気になりませんでした。
パワーやトルク感についてもマツダのディーゼルに慣れているので、驚くほどパワフルという印象はないですが、ハリアーという車にふさわしい余裕のある動力性能でハイブリッドであれば高速や山道含め常識的な使い方で不満を感じることはまずないです。
なので、まっすぐ走る限りはハイブリッドの印象は非常に良かったです。
ピッチング、ロール、ヨーの観点で評価する
次に、ハリアーの曲がる、止まるの感想です。
曲がる、止まるで別々にお伝えしても良かったのですが、ピッチング・ロール、ヨーの観点でお伝えしたかったので一緒にまとめました。
まず、ガソリンモデルですが、ブレーキのフィーリングにこだわりがある私でも予想以上に、、といっては失礼ですが良かったです。
私はブレーキのフィーリングには非常にこだわっており、個人的にはブレーキが自分の感覚であっているかどうかで車を買う買わないの大きな判断材料になります。
他がどんなに良くてもブレーキを踏むたびに違和感を感じるようではその車は買わないという形です。
ではどんなブレーキが良いのかというと、踏み始めの制動力は穏やかで踏みごたえのあるブレーキ。
逆にペダルが軽く少し踏んだだけでガツンと効くようなブレーキは苦手です。
一般出来には後者の方が良く効くブレーキと感じるので、ネットではマツダの車はブレーキが弱い・聞かないなんて叩かれることも多いですが、私に言わせるとスイッチのようなブレーキになれてるからそう感じるだけだと思います。
話がそれましたが、そのような観点でブレーキを評価した時にガソリンモデルのブレーキは良かったです。
CX-8との比較でいうと私はブレーキだけでもCX-8を買う価値があるというほど、マツダのブレーキの味付けには称賛を贈りたいですが、それと比較しても高いレベルであると感じました。
一方でハイブリッドは蓄電用の回生ブレーキの仕組み上、どうしてもファーストタッチから強めに効きます。
個人的には許容範囲ですが、理想的なブレーキフィーリングではなく頑張って慣れるしかない類の挙動です。
また、ハイブリッドはフロントにモーターとエンジンが乗るため、ガソリンに比べフロントヘビーになりますが、ブレーキの効きが強いこともあって、ピッチングが気になります。
ここで改めてピッチング、ロール、ヨーについて説明すると、
もし寝転がってこの動画を見られている方は、ソファーや椅子に座ってください。正座でもいいです。
次に頭を上下に傾けてください。真正面を見て、少し下を見て、男性の方は股間の辺りまで見てください。
今度は天井を見上げてください。このような頭の前後の動きがピッチング。
続いてもう一度正面を向いて、今度は真正面を向いたまま頭を左右に傾けてください。
視界が斜めになると思いますが、これがロール。
最後のヨーは真正面を向いてもらって右、左と首をひねってください。視界が円を描くように変わりますよね。
これがヨーです。
ハリアーハイブリッドの感想に戻りますが、ハイブリッドはブレーキを踏んだ時のピッチング、車全体が前傾し、首が前に持っていかれる感覚が少し気になりました。
これから試乗される方は首に力を入れずリラックスした状態でブレーキを踏んでどのように感じるか評価してもらえらたらと思います。
ハリアーハイブリッドの気になったところ
最後、だいぶ長くなってきたのでハリアーの曲がる感想をお伝えしてこの動画は一旦終わりたいと思います。
ハリアーの曲がる性能、ハンドリングと言った方が良いですね。
ガソリンモデルは良かったです。
先代のハリアーはバンガードというかなり古い車のシャーシを使っていたのに対し、今回のハリアーは最新のTNGAプラットフォームを使われているので剛性がメチャクチャ高い。
運転していて全体的に張りがあり、ハリアーにラグジュアリーでゆったりとした世界観を求められる方には評価が分かれそうなんですけど、個人的には本気で欲しくなるほど良いと感じてます。
ガソリンに関してはエンジンよりシャーシが勝ってますので、ハンドルを左右に切った時に遅れなくフロントが向きを変え、その時のロールやヨーというタイヤが向きを変え、路面との摩擦が生じ車が向きを変え始めてから体に感じるヨーモーメントの繋がりもすごく気持ちが良いものです。これでパワーがあれば私もハンコ押すくらい気持ち良かった。
一方で、ハイブリッドはやっぱ、フロントが重すぎます。重量物が車のセンターから端によっている感が強く、ステアリング操作に遅れが出る。
ハンドルを切って車体が向きを変え体にGを感じるまで僅かなラグがあり、個人的にはそれが許容範囲を超えました。
これはハンドリングがスローだと言っているのではないです。CX-8はスローなハンドリングですが、切り始めから車が反応するのでステアリングを切った量と、その時に私がこれくらいの慣性モーメントが発生するという感覚の差が少ない。
対してハリアーハイブリッドは、ホントに細かい話でありますが、僅かなずれがあり、それが気持ち悪さに繋がります。
これをどうにか定量的に数式などでお伝え出来ないか頑張ってみたのですが、慣性モーメントは物体の質量が均一でよーの中心軸であるZ軸が中心にあれば私でもなんとかなりそうでしたが、車のような複雑な形状かつ密度も不均一な物では高校物理レベルでは全く歯が立ちませんでした。
よって、ハイブリッドは全体的には満足度が高いものの、フロントヘビーゆえのヨーモーメントが気持ち悪く、車と仲良くなれそうにないという点で購入に至りませんでした。ハイブリッドでもAWDに乗ったらまた印象は違うのかな、とも感じましたが、個人的な許容範囲には収まりそうにないと感じ、今後のPHVに期待したいと思います(RAV4のPHVがバカ売れしてるので、発売時期や納期待ちがヤバそうですが)
最後に、このヨーモーメントは試乗の際に簡単に確認できる方法がありますので、簡単にお伝えします。
試乗の際、前後に車がいない時に車線の白線内の範囲で左右にステアリングをサッサと切ってみてください。
ステアリングの操作に応じて車が左右に振れると思います。視界も左右にズレます。その時、背中の辺りに車の旋回軸の中心があり、体が左右に振られますが、視界のずれと背中で感じる旋回Gが一致していると自然に感じます。
ハリアーハイブリッドはフロントヘビーのため、旋回軸の中心が車の中央から前の部分に寄る形になります。なので、ステアリングをサッサと左右に切った時のGの感じ方が、軸の中心ではなく旋回半径の少し前よりになることで人間の感覚的には少し違和感を感じると思います。
これは旋回半径の大きいコーナーを回るときよりも、直進中にサッサとステアリングを切ってヨーを発生させた方が分かり易いので、是非チェックしてみてくださいね。
なお、マツダ車においてはGベクタリングなんとかという制御でこのGが非常に旨く味付けされています。CX-8のようなサイズの車でも、このような動作をした時の挙動が自然で、走っていて気持ち良く感じる理由にもなっています。
この曲がるの感性的な評価は旋回半径、速度、加速度別に試してどう感じるかなども試してみたいところではありますが、素人がやるにはハードルが高いのでプロに期待ですね。
最後に
という訳で今回はハリアーのハイブリッドとガソリンの動的質感の感想をお伝えしました。なお、今回私が感じた部分は一般的には非常に細かい部分ですのであくまでも一例としていただき、基本的には私も本気で欲しくなるほど、良い車だったということはあらためてお伝えしたいと思います。
次回以降ですが、ハリアーとCX-5、CX-8を比較した感想についてもう少しお伝えしたい部分もありますし、、6スピーカーとJBL9スピーカーの違い、また、私の車も純正ボーズの音質を予算10万円でぶっちぎる音質改善計画というものをそろそろお伝えしたいと考えています。チャンネル登録をしてお待ちください。
==========
クッソ長いですね。
以上です!